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0109週 誰かになろうとしちゃだめだよ

0109 月

昨日歩きすぎて筋肉痛だけれど、休日なのでリングフィットをプレイして半身浴。Aマッソ加納さんの小説『これはちゃうか』を読了。Aマッソのコントを書いている人はこういう世界の捉え方をしているのか、という気持ちで読んでいた。
オットが昼食に作っていたチャーハンをお裾分けしてもらってから家を出て、友人宅で新年会。人が持ってきてくれた酒を飲みながらひたすら話す。ひとりは結婚を決め、ひとりは同棲と転職を決めていた。ライフイベントだけが人生ではもちろんないのだが、みんな人生が進んでいる、と思った。わたしは既に結婚していて、今のところ子をもつ予定も転職する予定もないので、自分が停滞しているような気もしてきた。新年会に友人の恋人が合流したりもありつつ、21時ごろに早めの解散。
なんとなく飲み足りなくて、本屋で『スプートニクの恋人』と卒論テーマに関連する新書を購入して、行ってみたいと思っていた近所の居酒屋に寄る。カウンター席から見える位置にテレビが置かれていて、ひとり客でも手持ち無沙汰になったりすることなく過ごせて嬉しかった。『スプートニクの恋人』をめくりながら日本酒を一合飲んだ。酔って帰宅。眠る。

0110 火

朝イチで出社。先週は業務が落ち着いていたけれど、今週から本格稼働。やたら打ち合わせの多い一日で、ばたばたと過ごす。
午後、昨年末から悩んでいる本業と社内副業のバランス、ひいては今後のキャリア設計について、前上司にお時間をいただいて相談する。考えてきたことを話し終える前から、「結局お前のキャリア論なんだよ」と核心を突かれ、その後45分くらい、悩んでいた部分をきれいに整理いただいたうえで、芯に迫るアドバイスをたくさんいただく。密度の濃いインプットをもらいすぎて、MTG後にしばらく放心してしまった。わたしは前上司をかなり尊敬しているが、「お前の年次ならまだ誰かに憧れて〇〇さんになりたいって思っていてもいいけど、いつまでも誰かになろうとしちゃだめだよ」と言われたことが刺さりすぎて、何度も反芻してしまう。わたしはずっと「〇〇さんになりたい」を繰り返してここまできたのに、急に誰かのコピーを目指すことから脱却できるんだろうか。唯一無二性を獲得することはとても難しい。
帰宅したら最寄りのスーパーが閉まっていたので、24時間営業の店まで行って、正月太りを解消すべく野菜スープの材料を購入した。家で野菜スープを作りながらおつまみを食べつつ酒を飲んでいたらなんだかお腹いっぱいになってきて、結局スープは飲まなかった。眠る。

0111 水

今週唯一の在宅勤務。水曜日は定例の打ち合わせが多くて、うまくタスクが進まない。昨日アドレナリンを出しすぎたのか、在宅勤務だからか、ぜんぜんやる気が出なくて困る。お昼に野菜スープとパン、晩に野菜スープと餅。
明日は健康診断なので、21時以降は絶食しなければならず、久々に平日20時台に夕食を摂った。食後に少し働いて、昼間無気力だった分をなんとか埋め合わせた。

0112 木

朝から健康診断。採血のあと、特に休憩時間等なく問診に連れていかれてびっくりした。昨年までは体調が悪くなる可能性を見込んで10分くらい椅子に座っていなければならなかったはずなのに、運用が変わっている。正月太りで体重が不安だったのだが、21時以降絶食のおかげか案外体重増加は緩やかだった。安心。
午前中から打ち合わせが続いてばたばた。健康診断でうっすらダイエット意識が高まり、お昼はヘルシーなお弁当を選んでみた。午後に上司と評価面談。超ざっくりとした肯定をされ、喜んでいいのかわからない。昨夏の異動でいろいろと不慣れな業務をすることが増えて、自分がバリューを出せているのかそうでないのか、わからなくなる瞬間が増えたように思う。
退勤したらもうスーパーが空いていない時間だったので、コンビニでチャーシュー煮卵メンマがパックに入ったおつまみを買う。レンジであたためる想定のようだったので指示通りあたためたけれど、メンマがあったかいの不思議。お弁当なんかも、レンチンすると漬物がぬるくなったりするけれども、あたたかいほうが美味しいものが過半数なら仕方ないんだろうか。家にあった長いもとキムチも食べて、「来世ちゃん」のドラマを観る。生きづらさや承認欲求をポップに描く唯一無二の作品だと思う。ずっと好き。

0113 金

朝から出社の日。ベッドのなかでメールを見ていたら、社内他部署の方からだいぶ言葉の強いお叱りメールがきていて落ち込む。こちらのミスが発端ではあるのでわたしが悪いのだが、「そこまで言われることかな」という反抗的な気持ちが芽生えてしまい、どうにも心が落ち着かない。出社して15分かけて謝罪メールを打った。不服な気持ちが表面にあらわれないように、と思いながら文面を考えたら疲れた。10:30の打ち合わせまでにつくりたい資料が終わっておらず、わたわたと労働する。お昼にガパオライスを食べたら眠くなったので、ホットティーでカフェインを摂った。カフェイン中毒になってコーヒーを控えてからもう2年以上になるが、なんだかんだ紅茶を代替品として使ってしまうことがある。カフェインレス生活への道は遠い。
やたら忙しく、タスクを2つ残したままタイムアップで終業。残業していた同期としゃべりながら帰宅する。またスーパーが開いていない時間になってしまい、ひとり飲みをして帰ろうかな、と行ってみたかったワインスタンドを覗いたけれど、常連らしい人が多く、なんとなく躊躇してしまった。居酒屋でパクチーサラダと油淋鶏をテイクアウトして家飲み。村上春樹『スプートニクの恋人』を読了。大学時代、村上春樹作品を「わからない」と言ったら馬鹿だと思われるんじゃないかという自意識で避け続けてきたのだが、フラットに読んだらフラットにおもしろかった。メタファーを理解しようと無理せずに、いまの自分が受け取れるものだけ受け取ればよいのだと、妙な自意識が消え失せてくれてよかった。

0114 土

オット不在の土曜日。彼が朝早く出かけていく音をベッドで聞きながら二度寝する。自己肯定感を高めるためにジムへ行き、リングフィットをプレイしたところ、なぜか足の運動ばかりを指示され、ふらふらになる。昨日のお叱りメールで気が晴れず、過去のやりとりを見返したりしたところ、先方の怒りに理があるようにも思えてきて、不服に思ってすみません、と反省する。当事者意識が欠けていたのだと思う。もう新人ではないのに恥ずかしい。恥ずかしいという気持ちが相手への攻撃性に転化したことを自覚する。
午後、家を出て新宿へ。来週の結婚式に着ていくドレスを探して新宿を徘徊する。割とよいのが見つかったが、同じドレスがレンタルできることにも気づき、買うべきなのかレンタルするべきなのか、ぐだぐだと考える。
ドレスのことは一度置いておいて紀伊國屋書店に寄る。『N/A』を立ち読みする。お目当ての書籍があったはずなのに、ぜんぜん違うエッセイを買う。ついでに枡野浩一さんの短歌本も買う。ぱらぱら立ち読みしていたら、一首一首がやたら心に刺さってしまい、お守り本として持っておいてもよいのではないか、と思ったのだった。本を仕入れたので初台のfuzkueにお邪魔して、望月由起『小学校受験』(光文社新書)を読む。小学校受験は卒論で扱ったテーマでもあり、わたしの人生の起点でもあるので、あらゆる意味で興味深く、がつがつと読んだ。感想を書き始めるととりとめなくなってしまうので割愛。卒業論文を書いたときにも思ったことだけれど、わたしはやっぱり教育社会学という分野が好きだ。修士にすら進学せずに資本主義に染まりきった身でこんなことを言うのはちゃんちゃらおかしいとは思うのだが。新書を読み終えて、fuzkueにあった山内マリコ『ここは退屈迎えに来て』を読む。何人かの友人がバイブルのように扱っていたのでずっと気になっていたのだけれど、予想していた通り東京出身のわたしには体感的理解ができない部分も多く、でも、この閉塞感に切実な心当たりがある人がたくさんいることは想像できる、そんな一冊だった。
fuzkueで美味しいサンドイッチを食べたのにお腹が空いて、昨日ワインバーに入りそびれたフラストレーションもあり、ずっと行ってみたかった居酒屋へ。ふらっと入ったのだが、お酒の品揃えがよく、お料理も家庭的ながら美味しく、女性ひとり客もそこそこ放っておいてくれてとても居心地のよい店だった。京都にいたころなぜかよく飲んでいた石川県の某日本酒が置かれていて、懐かしくなって注文したりしていたらしっかり酔った。酔ったついでに読んだ新書の感想をTwitterにぽろぽろと投稿してしまった。化粧も落とさず眠る。

0115 日

朝5時ごろに目覚めて化粧を落とす。計画では8:30の開場に合わせて運転免許試験場に免許更新に出かける予定だったのだが、到底無理だと悟って二度寝する。なんとか起き出して午前中の部の受付終了30分前に鮫洲の試験場に到着するも、検定料支払いの列が建物の外までのびるほど長く、狙っていた回の講習に間に合わなかった。運転免許試験場が何をするにも並ぶ場所であるということは理解していたのに、何度も列に並んだり、誤った声かけに惑わされたりしているうちにイライラしてきて、いまわたし殺気放っているかも、と思って余計イライラする。11:00に着いて、13:00ごろ新しい免許証を受け取る。今回からゴールド免許。5年はこの手続きに行かなくて済むと思うと何よりも嬉しい。
新宿でオットを待ちながら柚木麻子『とりあえずお湯わかせ』を読了。心強いお姉さまに励ましてもらったような感覚になる本だった。オットと合流し、新宿住友ビルの「KANPAI to meet」なるイベントへ。日本酒をメインとした日本のお酒と有名店の料理が楽しめるイベントで、昨日知人のインスタで見かけて急遽突撃を決めたのだが、お酒もごはんも美味しくて最高だった。日本酒を3杯飲んで酔っぱらう。今週末ずっと日本酒を飲んでいる。
会場を出たら雨が降っていたので地下通路を歩いて新宿駅へ。酔っていたのでオットにねだって京王百貨店の駅弁フェアに寄ってもらう。理性が残っていたので見るだけに留められた。えらい。あまり旅行で行くことのなさそうなローカル線沿線の駅弁を見ると、「いま買わなきゃ損かも」という気持ちが芽生えてしまうが、いつかそこに旅行に行って出会えるかもしれないし、ずっと出会わないかもしれないけどそれはそれでいいのだ、と思えるようになりたい。
まだ18時ごろだったので本来ならもうひとつアクティビティを挟みたいところ。でも、わたしは休日に予定を詰めないと損をした気になってしまう謎の貧乏根性があるのだけれど、昨日も活発に動いたせいかもう電池切れだったので素直に帰宅することにする。寝ていたらオットが買い物に行ってくれたので、スマホで『かぐや様は告らせたい』を読み返したり、『おひとりさまホテル』を買って読んだりする。
22時くらいからオットと飲み直していたらあっという間に1時を過ぎていた。来週は久々の週5勤務なのに、先が思いやられる。

写真は京都でよく飲んでいた日本酒こと宗玄。にごり酒がとっても美味しい。京都にいたころによくお邪魔していた日本酒バーに置かれていて、オット(当時彼氏)に勧められて以来馬鹿の一つ覚えのようにずっと頼んでいたことなどを思い出しながら飲んだ。数時間前に卒論テーマに関連する本を読んだこともあり、大学時代に戻ったような気分。もうあのころの鴨川には戻れないし、戻ったところで困るのだけれど。

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