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0306週 わたしが行きたいのは

0306 月

以前仲が良かった人に久しぶりに会って、当時のように親しげな態度を取ってみるも、その人はすっかり私に興味を失っていてどうでもよさそうな対応をされる、という夢を見た。久しく会っていない人なので、ある種の正夢なのかもしれない、などと考えて若干気が滅入る。
いつもより早い電車に乗って出勤。社外の人に自分の仕事を説明する業務があり、新鮮な気持ちでプレゼンする。説明資料を作っていて、改めて自分の仕事の社会的意義を考えさせられた。広告は打ち上げ花火のようで目に見えるものが残らないことが多いけれども、そういう一瞬の輝きの連続が歴史を作っていくわけなので、目の前の業務の意味をちゃんと信じていたい。個別案件にはいろいろ思うところがありますが……。
22時ごろ退勤して帰宅。手羽先と群馬の野菜でポトフをつくる。引越し先としてよい物件を見つけたのでオットに連絡する。

0307 火

ポトフを食べて午後から出社、夜は会食。以前担当していた取引先の方と久々にお会いできて楽しかった。

0308 水

在宅勤務。18時からOG訪問を受ける予定が、前の打ち合わせが延びまくって相手を待たせてしまい申し訳なかった。最近打ち合わせが定時に終わらないことが多い。
学生の方と話していると自分が就活生(大学生)だったころの感覚が蘇ってきて、あのころの「『何者』かにならなければ」みたいな強迫観念っていったいなんだったんだろうか、と不思議に思う。「やりたいことで、社会にも役立つ(市場価値がある)ことで、かつ自分にも向いていること」をもっている就活生なんて数えるほどしかいないと思うし、やりたいことを仕事にしないで楽しく暮らしている社会人だってたくさんいるよ!と今ならわかる。当時は「わたしのやりたいことは自分には向いていないし市場規模が小さすぎて新卒でもぐりこめない可能性が高い」などと悩んでいて、進路を決めたあとも、自分にとって就職先が「やりたい/役立つ/向いている」の3拍子を満たす場所ではないのではないかという不安でいっぱいだった。みんなわたしみたいな煮詰まり方をせずに就活を乗り越えてほしい。ほんとうに。
オットが早く帰ってくる日だったので、ふたりで夕食。また群馬の野菜を食べた。冷蔵庫の中身をベースに献立を組むの、楽しいし節約になるのでよい。まとめ買いという行動の合理性を認識した。

0309 木

在宅勤務。オットの異動内示が出るかもしれないという日で、朝からどきどきする。彼は全国転勤のある企業で働いているので、異動によって別居婚を選択せざるを得なくなる可能性があるのだ。オットがもし地方転勤になったらどうしよう、というのは常々考えており、わたしがフルリモートの会社に転職する手もあるよなあ、などと思うけれども、オットと一緒に暮らすことを最優先にキャリアを組む人生でいいのか、ずっとわからない。
結果的に、オットは部署異動したものの、勤務地は首都圏のままだった。よかった。よかったのだけれど、転勤族と婚姻関係にあるという課題自体が消えたわけではないので、今後もうっすら覚悟しながら暮らしていかねばならない。

0310 金

出社。部署の先輩からホワイトデーに可愛いクッキー缶をいただいた。
だんだん暖かくなってくると京都が恋しくなる。あるいは、卒業シーズンだから、自分が京都を去ったころを思い出しがちなのかもしれない。最近カメラロールやらFacebookやらがかつての卒業シーズンの写真たちをレコメンドしてくるので、強制的にエモに浸らされる時間が増える。
帰宅してオットに「京都行きたい」という話をしていて、「でもいまの京都には友人はほとんどいなくて、わたしが行きたいのは2018年とか2020年の京都なのかもしれない」と言った。けれども、当時よりもいまのほうがずっと精神状態はよいし生活も充実している気がするので、あの環境にもう一度戻りたいとかじゃないんだよな、と思った。オットが大学を卒業したばかりのころ、「10万円で大学時代に1週間戻れるならお金払うと思う」みたいなことを言っていたが、わたしは未だにそういう気分。

0311 土

オットの転勤はなかったものの、もともと今の街から引っ越したいという気持ちはあり、良さげな街の良さげなマンションの内見。のはずが、内見に向かう電車のなかで「その物件、昨日の夜に申し込みが入ってしまいました」とのメールが届く。3月の賃貸物件探しは厳しい。
内見は諦めて、尾山台のオーボンビュータンに向かう。オットが人に渡すお菓子を買うため、のはずが、気づいたら小菓子12個入り、ボンボンショコラ、タルトを自分用に購入していた。意思が弱い。お昼は目黒で寿司。
花粉症がピークを迎えつつある。なんかもう、「3月は家から出ない」以外のソリューションないような気がしてきた。

0312 日

午前中だらだら寝ていたら、オットが昼食を作ってくれた。京都でよく行っていた洋食店風のエビピラフとオムライス!!!ホワイトデーだからとのことで、爆食。彼は米を炒めるのがめちゃくちゃ上手。
花粉症のためおうちエンタメを充実させよう、ということで、午後はSCRAPの犯罪捜査ゲーム『御仏の殺人』をプレイ。直木賞作家の羽田圭介さんが脚本を書いている謎解きゲームなのだが、捜査資料の作りがめちゃくちゃに凝っており、まるで刑事ドラマの世界に入り込んだかのよう。オットとふたりで夢中になってプレイしていたら、あっという間に家を出る時間。
夜は六本木のナプレ。昨年のホワイトデーにオットが予約していてくれたのだが、わたしが花粉症でダウンして行けずじまいになっていたのでリベンジマッチ。前菜もパスタもピザもメインもデザートも、ぜんぶ本当に美味しかった。桜の時期にはテラス席で花を見ながら食事ができるらしい。花粉症じゃなかったら最高だな……と思う。
帰宅して『御仏の殺人』の続き。日付が変わるころになんとかエンドムービーにたどり着く。見事なストーリー設計で、世界観に入り込みすぎて何度も背筋がヒュッとした。楽しかった。何を書いてもネタバレになるが、プレイ済みの人と語りたいという気持ちが湧いてきてネットで感想を漁っていたら深夜。


写真はナプレのピザ。美味しかったな〜〜〜


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