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0627週 理想的な廊下

0627 月

朝から出社。今日は現部署での最後の部会だった。ちょっとしんみりしながら臨んだけど、部長に振られた挨拶はあんまりうまく話せなかった。「1年目のとき電話しながら涙目でキレたりしてたよねえ」と、当時同じチームにいなかったはずの部長に言われて、そんなことまで把握されていたことに少し驚いた。そして当時からずっと同じチームのおじさんが「え、そうだったの?」と言っていてウケてしまった。あなたには取引先とうまくいっていないことを相談したし、そのときには「まあインテリの若い女の子に言われると向こうも受け入れがたいんじゃないの~」と何の解決にもならない返事をしてきたけど、忘れちゃったんだろうか。おもしろ。夜は先輩2名が送別会兼ねた食事会を開いてくださった。解散してすこしカフェで仕事をしたあと、夜風が気持ちよすぎて気づいたら2駅分散歩していた。久保能町ann0で話題にのぼっていたチャゲアスの「僕はこの瞳で嘘をつく」を、歩きながらずっと聴いていた。

0628 火

在宅勤務。眠すぎてダラダラしてしまう。在宅勤務の頻度が減れば減るほど、在宅でちゃんと働けない人間になってしまうような気がする。仕事が進まなさすぎるので、夕方にいったん外出して大福を買った。コーヒーブレイク、大事。

0629 水

朝から出社。定時の時間帯のうち2時間を除いてすべて会議という素晴らしい(ふざけるな)スケジュール。ちょっと緊張するプレゼンなどもこなした。夜は社内のえらい人と会食。案件で知り合った他部門の先輩がセッティングしてくださった会だったのだけれど、お会いしたえらい人の視座が高すぎて、終始「ほへぇ~」みたいな気持ちだった。部門内異動を控えたばかりの身だけれど、部門を超えた異動も含めて、今後のキャリアについて考えさせられる。紹介してくださった先輩と家が近かったので、わたしの最寄り駅まで一緒に帰った。

0630 木

朝から出社。一応、今の部署最後の日。といっても、退職される方や部門外に異動される方も複数いるタイミングなので、自分が異動することよりも、先輩がいなくなってしまうことのほうが重大に感じる。とはいえ、オフィスにいた部長に「ありがとうございました」と挨拶しにいく。「異動するの不安です~」と抜かしていたら、「まあうちの部署は人を育てる部署だから、ずっとここにいちゃだめなんだよ」と言われて、そういうものか、と思う。夜は送別会を兼ねた新部署での飲み会。社内でオフィシャルな部署飲み会がずっと禁止されていたので、実は初めての部署飲みだったのだけれど、想像以上に荒れた飲み会になって驚いた。楽しかったけど、アルコール摂取しすぎて、途中トイレにペットボトルを持ち込んで休憩していた。終電で飲み会を抜けて帰宅。

0701 金

今日から新部署!心機一転。午後からスーツで出社。約2年ぶりに会社でスーツを着ないといけないイベントがあり、実家からスーツを回収してまで今日に備えていたのだけれど、あまりの暑さにキレそう。夕方からスーツイベントで2時間半ほどたちっぱなし。終わったあと飲みにいくのかな、と思ったけど、全員昨日の飲み会で疲れ果てていたのかあっさり解散になったので、近所のカフェで仕事をしたあと、東京駅のエリックサウスでミールス。気力体力をすべて使い果たして爆睡。

0702 土

朝から歯医者で歯のクリーニングをしたのち、foufouの試着会へ。foufouの服着ていこうと思って半袖バイカラーを着ていったけど、着脱に時間がかかって失敗だった。最高気温34度のなか、冬物をたくさん試着する。プリミティブワンピースが個人的にはぎゅんかわ。午後、スカイツリーで待ち合わせで大学の後輩とfoufou会という名のごはん。彼女もfoufouが好きらしく、わたしがfoufouにはまっていると人づてに聞いてわざわざ連絡をくれたのだった。foufouのこと、服全般のこと、キャリアのこと、などなど、いろいろ話して本当に楽しかった。楽しかったのだけれど、途中調子にのって失言をしたような気がして、帰宅しながら落ち込んでしまった。夜、北村薫の『スキップ』を読みながらペディキュアを塗る。友人が勧めてくれたのだけれど、ふだん読まないタイプの小説は新鮮でおもしろかった。放っておくと恋愛モノばかり読んでしまうので、たまには人に勧めてもらった作品も読むべきだな、と思った。

0703 日

9:50に友人と待ち合わせ。美術関連の仕事をしている友人が東京にきたので、美術館めぐりの約束をしていたのでした。美術館か~と思ってタケオキクチの柄シャツとfoufouのトレンチスカートを着ていったら、湿度が高すぎて完全に失敗だった。今週末は服装チョイスがうまくいかない。まずは目黒の東京都庭園美術館へ。まったく予習していなかったのだけれど、天皇家の方のお屋敷だった建物を美術館として公開しているらしい。蜷川実花の写真展をやっていたのだけれど、写真はさることながら、建物自体もとてもすばらしくて、「こんな家に住みたいナア・・・」とすべての部屋でため息をついていた。特に2階の廊下が美しすぎて。理想的な廊下。友人に「アールデコってなに?」などとアホみたいな質問をしながら鑑賞していたのだけれど、ぜんぶ親切に教えてくれて、持つべきものは美術に明るい友人・・・と思った。目黒でランチをしたのち、丸の内に移動して三菱一号館美術館へ。今度はシャネル展。展示されている洋服自体は「かわいい~」っていう感じだったのだけれど、キャプションを読むとそこに込められた思想がわかって興味深かった。いまのわたしたちがシャネルの服を「女性らしい」と思えるのは、まさにシャネルが、動きにくくてもっと「女性らしい」服から女性を解放してくれていたからなのだと思うと感慨深い。出口でシャネルのN5(香水)のサンプルを配っていて、これ以上ない効果的なサンプリング施策だな、と思った。もちろん展覧会ができるような材料があることが前提ではあるが、美術展って、最高のブランディングなのでは。2つの美術展を鑑賞したのち、東京駅の虎屋でお茶をして、解散。わたしは有楽町で服を買って帰った。

写真は庭園美術館の理想的な廊下。壁紙の色のせいか、均整の取れたつくりのせいか、異様なほど清潔で美しいと思う。



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