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開成用語の基礎知識【アーサー】

ひぐらし坂の母でございます。

数年前に中学受験を終え、無事に開成中学に合格しました。
このnoteでは息子の中学受験を振り返り、親子のメンタルを最強にするための考え方をお伝えしています。

中学受験は究極的には【親子のメンタル】が重要だと思っています。
特に【母親のメンタルが9割】というのが私の持論です。
このnoteの基本姿勢はプロフィールをご覧ください。

さて。
開成では10月の後半に二学期の中間テストがあります。
このテスト期間中の土日に、受験生向けの学校説明会が開催されます。
通常は土曜日も授業がありますが、この週の土曜日は臨時休校となり、テストの勉強に集中できます・・・・・というのは建前で、だいたい昼寝しているか、友達とLINE通話しているか、部屋でコソコソ何かしています。

テストが終われば、テストが返却されてきます。
テスト結果について開成には独自のカルチャーがあるので、今回はそのお話です。

開成における【アーサー】とは

開成中の子どもたちは、テスト結果をオープンにする子が多いです。
どの教科で何点取って、評点がいくつなのかということをお互いにほぼ知っています。
ちなみにテストは必ずしも100点満点ではないようです。
教科の担当やいろいろな評価があり、110点満点だったり、50点満点だったりします。
点数だけではなんとも判断しにくいので、評点が共通の判断基準になっているようです。

テストの結果や成績について、ほとんどの保護者は知らないというか、すでにあまり興味がなくなっています。
ウチもテストの結果を見せないことが多いので、一体どのくらいの成績をとっているのかよく知りません。
ある保護者会で、「中学に入るまでは息子の成績などいろいろなことが気になっていましたが、今は良い意味で息子に興味がなくなりました(笑)」と言っていたお母さまがいらっしゃいましたが、皆様大きくうなずいておりました

ざっくり言ってしまうと子供たちも親たちも、それほどテスト結果にたいしてギスギスしていません。少なくとも中学時代は。
もちろん例外もあると思いますよ。
私の周囲の限られた人間関係だけの認識かもしれません。
でもたぶんおそらく、息子の中間テストの結果を一つ一つチェックして、分析している親はいないと思います。

そんなわけで、中間テストはちょっとしたイベントという感じなのですが、やはりそこはテストですから順位がつきます。

開成生なら何と言っても【アーサー】が誰か、ということが最大の関心事になります。

おそらくこの語源はアーサー王のアーサーだろうと予測していますが、開成におけるアーサーとは、テストの席次が最下位だった生徒に付けられる称号です。

面白いのは、アーサーである本人は全くそれを恥じていないということです。
むしろ堂々とアーサーであり続けている友人もいるそうで、誰もそれをバカにしたりしません。
ただ単に、テストで最下位だったやつというだけであって、人格を否定したりいじめたり蔑視したりはしません。
なぜなら、アーサーの子もリスペクトできる何かをもっているからです。
スポーツができるとか、めちゃくちゃ面白いとか、ゲームがうまいとか、さまざまな理由で認められた存在であるのです。

こんなことを呑気に書いていますが、もしかしたら我が子がアーサーかもしれません。
なにせテスト結果を見せないものですから・・・
たまに見せびらかしてくるのは、良い評点を取ったときだけです。

クラスの最下位をアーサーと呼びますが、全クラスを通しての最下位のことを特別に【学年アーサー】と呼んでいるようです。
学年アーサーが誰かと言うことを、なぜか全員知っているというのも面白いカルチャーだなと思います。

類義語【円卓の騎士】

クラスで最下位の称号は【アーサー】ですが、その類義語に【円卓の騎士】があります。
アーサー王に忠誠を誓い崇高な騎士道精神を持つ、円卓につくことが許された12人の騎士のことです。

開成における円卓の騎士とは、席次が下から2番目~13番目の12人の生徒のことを意味します。

クラスの中では、アーサーのみならず、この【円卓】が誰なのかということもほぼ周知の事実です。
「あー。今回、円卓確定だわーwww」
のように軽く使用されます。
いずれにせよ、成績によって特別に与えられる称号なのですが、本人たちは完全にネタ扱いです。
ウチの子が円卓の一員であることを、ある時偶然知ってしまったことがあるのですが、もはや親の私も「円卓って!www」としか言いようがありませんでした。
息子的には、クラス全員に知られることは何とも思わないくせに、親に知られたのはさすがに恥ずかしいと思ったのか、最近は「もう円卓じゃないから!」と自信満々に言うようになりました。やれやれです。

自己肯定感の高さ

開成での生活を見聞きすると、このようなテストの結果についての認識もそうなのですが、子供たちの自己肯定感の高さを感じることがあります。
テストの結果が思わしくなくても、たとえアーサー円卓だとしても、妙に堂々としているし、そこで卑屈になる子があまりいません。
根本的に自己肯定感が高いのだろうなぁと感心します。
もちろんメンタルも強く、自分のことに集中できる子が多いです。
中学受験を乗り越えてきて、それぞれがいろいろな経験から身につけたことなのです。

加えて、中学時代の成績にギスギスしない大きな理由は、よっぽどのことが無い限り全員開成高校に進学できるからです。
この余裕はとても大きいのです。

高校受験をしなければならない場合、お互いの成績がとても気になってしまいます。
公立の場合は内申点というものがありますから、お互いがライバルです。
受験を控えていたら緊張感が高まるのは当たり前です。

その点、自己肯定感の強い仲間と一緒に、中高六年間通して多感な思春期を過ごして切磋琢磨できる環境というのは、親の私から見ても本当に羨ましいとさえ思います。

母親のマインドチェック

・開成カルチャーはなかなか面白い
・中学入学後、子供は一気に成長する
・受験が終われば子供の成績には興味がなくなる
・中学受験は親子でがんばる最後のイベント

受験勉強で苦しいとき、入学したあとはこんな感じになるらしいよーと、お子さんとの雑談のネタにでもしてください。
いつか、ひぐらし坂でお会いしましょう。


開成に進学後、次の目標に向かってがんばっている息子にサポートをお願いいたします♪