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【詩】野花

金網の穴をくぐって
隣町に野花を摘みにいく
花売り娘のジェシカは
まだ13歳だけど
病気の母親と
小さな弟を抱えて
土まみれの荒れた手で
今の仕事にしがみつく
排気ガスと砂埃まとって
一日に500以上は
外国人に声をかける
大半は相手にもしてくれず
ゴミを見るような目で
あっちに行けと追いやられる
容赦のない風が
カゴの中をめちゃくちゃに荒らす
頭の足りない太陽が
道路をホットプレートにする
朦朧とした瞳で
通りを行ったり来たり
まるでオルゴールの人形さ
そんな暮らしが当たり前だから
少女は自分のことを
不幸だとは考えたことはない
抜け出せる場所なんてどこにもない
地球はここだけとすら思う
それでも花は美しく
汗を流すのは気持ちよく
家族で過ごす時間は素晴らしい

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