見出し画像

【詩】エトワール

彼女たちは花であり
彼女たちは幻想であり
指先からほどけていく熱に
地球を軸にして爪先が回転する
音楽に混じる、混じりけのない血よ
可憐な唇から漏れる息は
火傷しそうなくらいに冷たい
森に迷い込んだバンビは
最初からすべてを知っていたように
まつげを涙で震わせていた
星だけを待っていたの
どの街からでも見えるほど眩しい星を
彼女たちは死であり
彼女たちは秘密であり
凍ってしまった歯車のひとつ
ふわりと飛び立った光の心臓よ
抒情的な仕草で
手に取った透明の林檎は
王子様のいない物語の延長線上に
そっと置いてきた
星だけを待っていたの
どの街からでも見えるほど眩しい星を

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
読んで頂きありがとうございます
新しい詩はこちらのブログから読めます
http://blog.livedoor.jp/meikasahara/

いつも記事を読んで頂いてありがとうございます。フォローや、ハートマークで満足ですが、ご支援して頂いたら、詩集の制作費の足しにさせてもらいます!