【詩】コールドフィンガー

君の冷たい指がピアノを叩くから
僕の心は壊れてしまった
君の冷たい指が花を撫でるから
僕の言葉は死んでしまった
きっと元には戻らないけれど
これで良かった、嬉しかったから
夜明け前の薄くなり始めた
カシオペア座にふたりは飛び乗り
雌鹿のワルツと同じ軌道で踊る
一杯の珈琲、現実に引き戻される
世界にも色が帯びてゆく
海も空もどこにも繋がっていない
灰皿の上でゆっくり燃えてゆく写真
音符の雨が降っていたバス停
モリッシーの詩集を抱いて
有刺鉄線の向こう側で微笑んだ
用事のないランドリーで待ち合わせて
もっとずっと寒い町に行こうか
公衆電話がまだ残っているような町にさ
ホテルなんて予約しなくていいよ
車の中に毛布を用意しておいたからね
そうゆうの嫌かい?答えなくていいんだ

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