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【詩】お花畑と少年兵

銃を握りしめた幼い兵士は
お花畑で寝そべっている
撃たれた心臓は
もう痛みを感じないけど
血が流れて体温が奪われていく
空は吸い込まれそうな水色
意識が薄まっていく
そよ風で飛んでいる
クローバーが鼻をくすぐる
天国って死んだあとに
行ける場所じゃないんだ
悲しみを通り過ぎたバス停
思い出すのは幸せな景色ばかり
最後に母親に会いたかったし
幼馴染の少女と一緒に
海を見たかったけど
花に囲まれて
蝶々に見守られて
こんな死に方も悪くはない
気分はジョン・ウェインさ
英雄にはならないし
歴史に名前も残らない
でも誰も恨んではいない
この地で一滴の涙になるだけ
最後は自分にさようならを言おう

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