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【詩】アルコール度数

悲劇は喜劇より少しだけ
アルコール度数が高い
涙に酔えても笑いには酔えない
カフェで楽しそうに笑っている男女も
本当は別れ話をしているかもしれないし
プラットホームで抱き合って
そのまま電車は発車してしまえば
レンタカーで海を目指せる
猫は犬より少しだけ
アルコール度数が高い
キャットフードは食べれないけど
ドッグフードは美味しい
部屋に飾った天使の形のキャンドル
ざらざらした舌の感覚が
香水の瓶を倒してしまった
6月の藍色の浴槽に沈んでいる
キラキラした悪夢の星
人生は音楽より少しだけ
アルコール度数が高い
どんなことでも8年続ければ
それはブルースになるって
7年前に亡くなったじいさんが言っていた
どんなに哀しくて惨めでも
神様がもういいよっていうまで生きる
音楽は語るものじゃなくて音楽するもの
愛は語るものではなく愛するもの

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