【詩】ベイビーフェイス
一人で魔王と戦い行くなんて
スラム街をバレエシューズで
歩くようなもんだぜと
鍛冶屋がウイスキーを吐き捨てる
後ろの水夫たちが大笑いして
バーテンダーも2ミリくらい微笑んだ
琥珀色に床が輝いて
ドブネズミが競争している
女のような顔をした勇者は
昨日覚えた炎の魔法でこの店を
燃やそうかなって思ったけど
こんなところでMPを消費するのは
もったいないとミルクを飲み干す
光の剣が血で汚れるのも面倒
埃だらけのシャンデリアに
ぶらさがっているコウモリと目が合う
オールドサンシャインの残党か
ゼブラヘッドの右腕だろう
店に流れるタンゴのリズムで
踊り子の胸が揺れていた
カジノでは5000ゴールド失った
仲間はみんな棺桶になってしまった
復活の呪文は覚えていないし
故郷に咲いていた花の色も忘れた
宿屋までの道も不確かだ
魔王と俺は多分似ているんだ
そんな気がする
よく分からないけど
いつも記事を読んで頂いてありがとうございます。フォローや、ハートマークで満足ですが、ご支援して頂いたら、詩集の制作費の足しにさせてもらいます!