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【詩】薄いスマホ

スマートフォンは薄べったくて軽い
そればっかり見ている僕たちの
思考や想像力も次第に
薄くて軽くなっていくかもしれない
SNSのアプリを作るときに
何の要素を含めると売れると思う?
答えは寂しさだってさ
人は寂しさに逆らえない動物だ
当たり前のように僕らは
利用しながら利用されている
ポケットでスマホが震えたような気がする
それも現代病の一種らしいよ
サブスクの音質の悪さも
あんまり気にならなくなって
予測変換はどこまでも当てはまり
まるで予言者のように思える
WiFiやBluetoothや見えない電波で
繋がっているのは指先だけ?
十字架のように握りしめて
向こう側に人がいると願っている
多分皆が祈っていることだ
だから僕はときどき
スマホの電源を切って目を閉じて
透明なブルーをまぶたに映す
誰もいない海辺に立つのも悪くない
太陽のように手で塞いでも
漏れてくる光を信じているんだ
きっと愛に近いものを

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