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【詩】恋人にもらったメモ帳

俺はブコウスキーのように
ポケットにいつもウイスキー壜と
メモ帳を忍ばせている
恋人がオーダーメイドして
作ってくれた特製のメモ帳で
表は赤い猫の絵が描かれていて
裏面はメルヘンチックな水玉模様だ
どことなく遊園地のようだ
俺はほろ酔い状態で
純情商店街をぶらついて
カーネルサンダースに話かけたり
銭湯で背中を洗いながら
ポエムアイを光らせる
この瞳で世界を見ると街灯に降る雨も
一滴ずつが詩に変わるんだ
すれ違うカップルの言葉も
鳥の落とした糞も
メモ帳に書きこんでいく
悪筆なのは仕方ないこと
軽薄でなければ詩など書かない
まして歌うなんてありえない
家に帰ると小さな音で
ギターを弾いてメモ帳を朗読する
恋人はチキンカレーを煮込みながら
それを聞いて嬉しそうにしている
与えられてばかり
君がそんな風に笑うから
俺はいつまでも詩人でいるのさ

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