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【詩】金髪リーゼント

マーシーは15歳になったばかりで
ドイツ軍のヘルメットより硬い
金髪リーゼントで単車を乗り回す
どこにでもいるテディボーイ
雨上がりの煉瓦の町で
PINKのガムを噛んでいる
慣れ合いは嫌いだから
不良グループとはつるまない
喧嘩するときも一人きり
火だって触れてみなきゃ
熱いか分からない
冬の海が好きで幼少期は
聖歌隊に入っていた
ブラックスリムのジーパンを履き
紫色のシャツに革ジャンをはおって
オモチャみたいな指輪を
三つ指に嵌めている
マーシーの隣を歩いてる女の子は
毎日違う顔だけど
キスもまだしたことがない
愛なんてものが人を弱くするんだ
そうゆう思想が片隅にある
めんどうくさいものとは関わりたくない
不真面目だけどこだわりが強くて
髪型が崩れることを
なによりも憎んでいるから
部屋はヘアスプレーの空き缶だらけ
シンナーの香りを吸い込んで
なんとなく未来は
明るいと信じている少年だ

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