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【詩】冥土の土産は歌だけ

過去を裁判にかけられたら
誰だって地獄行きに間違いないよ
生きていたらいいことがあったよって
そんな偉そうなこと
先に死んじゃった友達に言えるかな
僕の立場と君の立場は違う
冥土の土産の酒は日本酒にしよう
いや、持っていけるものなんて何もない
歌くらいかもしれないね
天国ではジョンレノンとボブマーリーが
肩を組んで歌っているんだ、新曲を
地上でそれを知っているのはオノヨーコだけ
8月の最後を待たずに
天国と下界が繋がっている
トランジスタラジオを首からぶら下げて
亀よりゆっくり歩いている老人を
5メートル上空から眺めている
紅茶を片手に持っている死神
瞳が濡れているのは悲しいからじゃない
どしゃぶりの雨の愛撫に任せて
少女は手首にカミソリをあてがう
騙してあげられたらいいのに
頸動脈なんて都市伝説をまだ信じているの?
格好よく生きるのは難しい
諦めて堕ちるのは楽なこと
それでも自分を嫌いになれない

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