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無〈最高の状態〉/鈴木祐

「社会心理学者のデビッド・マイヤーズは、人間の幸福感についてリサーチを重ね、こう結論づけました。「情熱的な愛、精神的な昂り、新しい所有の喜び、成功の爽快感。すべての望ましい経験は、いずれもそのとき限りのものである。この点はいくら強調しても足りない」。」(p.24)
「いかに本当の自分を追い求めようが、私たちがどのような人間かは周囲の物語によってコンスタントに変わりますし、そもそも自己の感覚そのものが物語と物語の間に生まれる架空の概念でしかありません。ドーナツの穴を食べることができないように、ありのままの自分を探すのもまた不可能なのです。」(p.89)
「「感情の粒度」が高い人たちを調べたジョージ・メイソン大学などのチームは、感情の言語化がうまい人たちは総じてセルフコントロールがうまく、アルコールやドラッグに依存しにくいうえに病気にもかかりにくいと報告しています。」(p.112)
「世界で最も幸福な部族ーーー。言語学者のダニエル・エヴァレットは、ピダハン族のことをそう呼びました。」(p.174)
「現実に降伏せよ。」(p.183)
「万物はあまねく常ならぬが世の習い。気心の知れた友人でもいつ仲違いするかわかりませんし、いくら健康を心がけても病に襲われる可能性は残り、どれだけ注意しても仕事や学習に失敗はつきものです。すべての物事はランダムに移ろい、どんな秩序もほどなく崩壊します。」(p.269)

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