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感傷と感情の言の葉帳/ねる屋。

打っ魂消る[ぶったまげる]
:肝をつぶすほど大いに驚く
…「魂消る」に接頭語の「打」をつけて、意味をより強めた言葉。「魂消る」は、肝をつぶすほどに驚くことを表す。(p.23)
浮世の苦楽は壁一重[うきよのくらくはかべひとえ]
:今日苦しんでも明日はよい日になるかもしれない
…この世の苦と楽は、壁一重隔てて隣り合っているようなもので、状況は絶えず変わっていくということ。よいことも悪いことも永遠に続くわけではないことのたとえ。(p.29)
「それは、この世に生まれて最初に流すもの。あらゆる体液の中でそれは、唯一感情に影響されて溢れ出す。喜び。怒り。悲しみ。楽しい。悔しい。寂しい。恐ろしい。愛おしい。感傷と感情の数だけ、僕たちは涙を流すことができる。流した涙の種類だけ、僕たちは優しくなることができる。」(p.30)
「あなたが唇を噛んでいたこと、隣にいた私は気づいているよ。そう言ってくれた君の真心も、今は滲んで何も見えない。どんな励ましの言葉を手渡されても、現実は、後の祭りだ。吠え面かいた。恥もかいた。悔しさは、努力の証明だ。」(p.32.33)
臍を噛む[ほぞをかむ]
:もう二度と取り返しのつかぬことに対しての後悔
…取り返しのつかないことを激しく悔やむこと。「臍」とはへそを意味する。自らの臍を噛むことはできないため、どうにもならないことのたとえに用いる。(p.33)
「知らない方が幸せなのと、知って一緒に苦しむのと、あなたはどっちを選びたかった?」(p.40)
「一生懸命に生きる僕らは、ずっと遊びの中にいるのかもしれない。」(p.44)
死んで花実が咲くものか[しんではなみがさくものか]
:何があっても生きていく
…枯れ木は花も実もつけないことから、生きていれば可能性はあるが、死んだらそこで終わりだということ。何があっても生きなくてはならない、というたとえ。(p.51)
彼は誰時[かはたれどき]
:人の見分けがつきにくい夜明け前の薄暗い時間帯
…薄暗い夜明け前、人の顔がよく見えず、思わず「君の名は?」と尋ねてしまうような時分を言い表した言葉。夕暮れ時に用いることも。(p.65)
誰そ彼時[たそかれどき]
:日没後、薄暗くなり人の見分けがつかない時分
…日が沈み、あたりが徐々に暗くなりかけて、相手の顔が見分けにくくなる時間帯を表す言葉。「黄昏時」ともいう。(p.66)
可惜夜[あたらよ]
:この夜が明けるのを惜しむという言葉
…「可惜」は「惜しくも」「残念ながら」などの意味がある。「可惜夜」には、夜を惜しみ、夜が明けるのが惜しいという心持ちが込められている。(p.69)
天使の梯子[てんしのはしご]
:天と地を繋ぐ光の梯子
…日の出や日没の頃、雲の切れ間から地上に向けて斜めの筋状にさす光。天と地を繋ぐ梯子のように見えることからヨーロッパではこう呼ばれる。(p.83)
独法師[ひとりぼっち]
:何にも属さず仲間もない存在
…「法師」とは、僧侶のこと。宗派を離れ、たった1人でさまよいながら修行をする様から転じ、仲間がなく孤独であることを表す。(p.127)

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