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人を動かす[完全版]/D•カーネギー

本書を書いた理由
「私の記憶では、史上最大の富豪といわれるジョン・ロックフェラーは、その全盛期にこう言っています。「対人能力は、砂糖やコーヒーのように購入可能な商品だ。私は、その能力に誰よりも高く支払う用意がある。」」(p.5)
第1章 人間の取扱説明書
「早くからそれに気づいた彼に比べ、私は30年以上も苦労した末にやっと、「100人のうち99人は、どれほど自分が間違っていても、まったく自分の非を認めない」ことがわかってきました。」(p.21)
「誰かを変えてあげたいとか、改善してあげたいと思うのは良いことですが、まずは、自分自身を変えることから始めてみませんか?他人を変えようとするより、はるかに利益は大きく、危険はほとんどありません。」(p.28.29)
「批判や非難、文句を言うことは、ばかでもできます。実際、ばかな人ほどそういうことをします。」(p.31)
「人を思い通りに動かすたった一つの方法は、相手が欲しいものを与えることなのです。」(p.32)
「精神分析を確立したジークムント・フロイトは、人間の行動のすべては、2つの動機から生じると言いました。性欲と名誉欲です。アメリカの哲学者ジョン・デューイは、やや違う表現をしました。人間の最も深い衝動は、有用でありたい欲求だというのです。」(p.32.33)
「シュワブは言いました。「人から最大の力を引き出す方法は、感謝と激励だ。上司からの批判ほど、人の熱意を潰すものはない。私は誰も批判しない。人には働く意欲を与えるのが正しい。だから私は、ほめることには積極的だが、あら探しには消極的だ。気に入ったことは“心から評価し、惜しみなく称賛する”。」」(p.40)
「お世辞は口先から出ますが、相手への尊重は、心の中から出てきます。」(p.44)
「つまり、他人に影響を与える世界で一つだけの方法とは、相手の欲しいものについて話し、それを手に入れる方法を教えることなのです。」(p.47)
「人間関係の高度な技術について、最高のアドバイスを一つご紹介します。ヘンリー・フォードの言葉です。「もし、成功の秘訣がたった一つあるとすれば、それは、相手の視点から物事を見る能力を身につけることだ。」」(p.52)
「オーバーストリート教授の賢明なアドバイスを紹介しておきましょう。「まず、相手に強い欲求を生じさせること。これができれば世界は味方になる。できなければ孤独な道を歩く。」」(p.61)
〈原則〉
 1.批判や非難で人は変わらない。
 2.相手が欲しいものを与える。
 3.相手の視点で、相手の問題を解決する。
第2章 人に好かれる6つの方法
「有名な心理学者アルフレッド・アドラーは、著書『人生の意味の心理学』の中で、「仲間に興味のない人間は、人生では最大の困難にあい、他人には最大の損害を与える。そのような人たちから、人間のあらゆる失敗が生まれる」と述べました。」(p.70)
「肉屋でもパン屋でも、玉座に君臨する王様でも、私たちは誰でも、自分を称賛してくれる人が好きなのです。」(p.76)
「行動は、言葉よりも多くのことを伝えます。」(p.83)
「笑顔は、毎日、財産を運んできてくれるのだ。」(p.85)
「ハーバード大学のウィリアム・ジェームズ教授は晩年、こう述べました。「行動は感情に従うようにみえる。しかし行動と感情は同時に起こる。よって意思の力が働きやすい行動のほうをコントロールすれば、意思の力が効きにくい感情のほうも間接的にコントロールできることになる。気持ちが沈んでいる時は、背筋を伸ばし、明るく振る舞うのが一番いい。」」(p.86.87)
「幸せは、あなたの外ではなく、内側にあるのです。」(p.87)
「心の持ち様のせいです。シェークスピアは、「物事には良いも悪いもない。考え方による」と著作の中で述べています。」(p.87)
「思考が最も大切だ。心の持ち方を正しく保とう。勇気があって率直で元気な心だ。思考は現実になる。欲求は全てのものごとを生み出し、誠実な祈りは叶う。」(p.89)
「ジム・ファーリーが若くして気づいたことがあります。「人間が一番関心を持つのは、自分の名前だ」ということです。」(p.93.94)
「見返りがないと、わずかでも幸せな気持ちにはなれず、感謝もできないほど心が狭い人には、それにふさわしい失敗が待っているでしょう。」(p.123)
「受けるより、与える方が素晴らしい。」(p.123)
「イエス・キリストは、ユダヤの岩だらけの丘でそれを教えました。彼はそれを一つの言葉に要約しています。おそらく、この世で一番大切な原則である、黄金律と呼べるものです。「己の欲する所を人に施せ。」」(p.124.125)
「率直な事実ですが、あなたが出会うほぼすべての人間は、何らかの点で自分のほうがあなたより優れていると思っています。」(p.129)
〈原則〉
 1.人に深い関心を持つ。
 2.笑顔を見せる。
 3.人間にとって、自分の名前が最も甘美かつ大切な音であることを、覚えておく。
 4.聞き上手になる。相手には自分自身のことを話してもらう。
 5.相手の関心事について話す。
 6.常に、相手に価値があると感じさせる。それを心から行う。
第3章 相手を自分の考え方に同調させる12の方法
「その結果、議論において最善の成果を得る方法は、この世にたった一つしかないという結論に達しました。その方法とは、議論を避けることです。」(p.144)
「今では口を閉じているおかげで、得をしています。」(p.146)
「考えてみてください。理屈で勝つことと、相手から好意を得ることの、どちらを望みますか?2つは滅多に両立しません。」(p.147)
「チェスターフィールド卿は、自分の息子への手紙に、こう書きました。「できるなら、人より賢くなりなさい。だが、それを人に言ってはならない。」」(p.152)
「ほとんどの人が偏見を持ち、一方的な考え方をしています。ほとんどの人が、先入観や嫉妬、疑いと不安、ねたみと傲慢で損をしています。そして、ほとんどの人は、宗教、髪型、信条、さらには大好きな映画スターについてまで、自分の考えを変えるつもりがありません。」(p.155)
「自分が正しい時は、相手を、優しく巧みに導きましょう。そして、自分が間違っている時はーそれは驚くほどよくあることですー、自分の間違いを素早く、心から認めましょう。この技術は、驚くべき結果をもたらすだけでなく、信じられないことに、そうした状況のもとでは、防衛的な態度でいるより、もっとずっと楽しめるのです。「負けるが勝ち」という、ことわざを思い出しましょう。」(p.174)
「人と意見が違うところから、話を始めてはいけません。意見が同じことを強調しながら話を始めましょう。お互いの目的は同じで、違っているのはその方法だけだということを、できるだけ印象づけます。」(p.189)
「言い争っても割に合わないこと。物事は相手の視点から見ること。相手にイエス・イエスと言わせること。それらを忘れなければ、もっとずっと儲かるし、ずっとおもしろくなることを、私はついに学んだのです。」(p.194)
「売りつけることはできません。相手に買わせるのです。」(p.200)
「ドイツには、こんなことわざがあります。「最も純粋な喜びは、悪意から生じる。」」(p.201)
「あなたの友人の中には、あなたの勝利よりも、あなたの困難から、より多くの満足感を得る人もいるのです。」(p.201.202)
「考えや行動には、理由があります。その理由を探し出してください。そうすれば、あなたは相手の行動、ひいては人格の鍵を手に入れることになります。」(p.213)
「この本を読んで、何か一つでも得ようというなら、普段から他人の視点で考える癖をつけておき、相手の視点から物事を見ることを心がけてください。もし、それが身につけば、あなたの人生において画期的な出来事になることは明らかです。」(p.217)
「あなたという人間ができあがったことに、あなた自身はほとんど関与していません。」(p.219)
「彼は、悪い感情という酸を化学的に中和する効果を持つ、共感というものの価値を経験から学びました。」(p.222)
「アーサー・ゲイツ博士は、素晴らしい著書『教育心理学』でこう述べます。「同情とは、人類が普遍的に切望するものだ。子供は、自分の怪我を見せたがったり、多くの同情を得ようと傷やアザを付けたりもする。大人も同じで自らの…アザを見せたり、事故、病気、特に外科手術をくわしく説明したりしたがる。現実または想像上の災難における“自己憐憫”は、ある程度みんなやっている。」」(p.226)
「実は、あなたが出会うすべての人間はー鏡にうつるあなた自身も例外ではありませんー自分自身を高く評価しており、自分を優秀で利他的な人間だと思っているのです。」(p.227)
「J・P・モルガンは、人が行動する時はたいがい2つ理由がある、と考えていました。一つは、他人から良く思われたいという表向きの動機で、もう一つは、本当の動機です。」(p.227)
「経験的にわかったことですが、相手が信頼できるかどうか確信がない時は、相手を、誠実で正直で信頼でき、自発的に支払う意志がある人だ、という前提で接するのが唯一正しい方法なのです。」(p.233.234)
「現代は、演出の時代です。単に事実を述べるだけでは十分ではありません。事実は生き生きと、面白く、劇的であるべきです。」(p.237)
「チャールズ・シュワブ自身がこう言っています。「成果を上げるには、競争心を刺激することだ。お金を目当てにさせる下劣なやり方ではなく、人より優れていたいという願望を刺激するのだ。」」(p.241)
〈原則〉
 1.議論で最善の成果を得たいなら、議論自体を避ける。
 2.相手の意見に敬意を示す。絶対に間違いを指摘しない。
 3.自分の間違いは、素早くきっぱりと認める。
 4.友好的に始める。
 5.ただちにイエス・イエスと言わせる。
 6.相手にたくさん話させる。
 7.自分で考えた気にさせる。
 8.相手の視点から、誠実に物事を見る。
 9.相手の考えと欲求に共感する。
 10.崇高な使命感に訴える。
 11.自分の考えを演出する。
 12.挑戦させる。
第4章 怒らせずに人を変える9つの方法
「ほんのわずかでも言葉に気遣い、相手の立場を思いやれば、相手の痛みはずっと少なくてすむものです。」(p.265)
〈原則〉
 1.相手をほめ・尊重することから始める。
 2.人の間違いは、間接的に指摘する。
 3.まず自分自身の失敗から話す。
 4.命令でなく、質問を投げかける。
 5.相手の面目を保つ。
 6.小さな向上をほめる。すべての改善点をほめる。「心から評価し、惜しみなく称賛する」
 7.実際以上の評価を与える。
 8.励ます。改善点をわかりやすくする。簡単にできると思わせる。
 9.相手が喜ぶ提案をする。
第5章 敵を味方に変える方法
「繰り返します。本書で教える方法は、それが心からのものである時にのみ、有効なのです。」(p.304)
〈原則〉
 1.相手に小さな頼みごとをする。
 2.小さな頼みごとをする。
第6章 家庭生活を幸福にする7つの原則
「愛を壊すための確実で非道な方法の中でも、口やかましさは特に破壊力があります。決して失敗しません。コブラが噛みつくように、必ず息の根を止めます。」(p.308)
「作家のヘンリー・ジェームズはこう書いています。「人との付き合いで最も大切なことは、相手なりの幸せの形に干渉しないことだ。」」(p.318)
「女性は、誕生日や記念日を重んじます。なぜかは永遠の不思議です。」(p.330)
「ウィリアム・ジェームズはかつて『ある条件下における人間の盲点』というエッセイを書きました。読む価値のあるエッセイです。それにはこうあります。「人間の盲点には、私たち全員が悩まされている。自分以外の人間や生き物の感情が見えないのだ。」」(p.334)
〈原則〉
 1.決して口やかましく言わないこと!!!
 2.相手を変えようとしない。
 3.非難しない。
 4.心から感謝する。
 5.小さなことに注意を払う。
 6.礼儀を守る。
 7.セックスについての良書を読む。

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