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サブリミナル・インパクト/下條信輔

「たとえば、同じくらい魅力的な対象がふたつあり、どちらかを選ばなければならないとします。ひとたびどちらかを選択すると、それを自分で正当化しようとする動機が潜在的に働きます。そこで次の(同じ選択肢からまた選ぶ)機会には、そちらをより魅力的と感じそちらを選ぶ傾向が高まるというのです。チョイス・ジャスティフィケーション(選択の正当化)などと呼ばれます。」(p.172)
「情動系/報酬系の引き金を直接引くようなやり方で、大衆操作がますます進んでいます。しかしそれにはさらに裏戦術があり、それがすなわち選択肢のさりげない管理だったのです。」(p.187)
「否応なく説得されてしまうという意味で、エピソードや物語というのは、情動に特化してアピールするような、よく出来た仕掛けと言えます。」(p.212)
「本当は情動的なもの、感性的なもの、非論理的なものが、人間性の本質にとって重要なのではないか。論理的なもの、合理的なものも、むしろこうした情動的なものが前提となり、それによってドライヴ(駆動)されているのではないか。」(p.225)
「知ることは確かに知らないよりはいいでしょうが、たぶん不十分です。気づいている/知っているだけでは、この場合ほとんど役には立ちません。」(p.233)

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