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すべての人にいい人でいる必要なんてない/キム・ユウン

「十年来の友人とひどいけんかをした日にわかりました。人間関係では、永遠を約束することはできないと。」(p.6)
「信頼していた上司に裏切られた日に誓いました。他人が見せる姿をそのまますべて信じたりはしないと。」(p.6)
「友人とうまく付き合う方法だけ学んで、友人というものの本当の意味は誰も教えてくれませんでした。」(p.6)
「ぶつかり、傷つき、泣いたりもしながら、知りました。人間関係とは流動的で主観的なものだと。」(p.7)
「他人による評価にとらわれることはありません。人のつくった基準に自分を押し込める必要もありません。」(p.7)
「一度の失敗でそれまでの努力をすべて無駄にしなくてもいい。ぽこっと突き出た石を見逃して、足を引っかけて転んだだけだ。そこでわざわざ自分の欠点を探す必要はない。」(p.20)
「自分に対しては、不思議なぐらい寛大になるのが難しい。」(p.20)
「過去の自分をもちだして叱責することはないし、まだ訪れてもいない未来の自分を想像してあせる必要もない。これからやっていけばいいし、じっくりはじめればいい。」(p.20)
「「どうしてわたしはこうなったんだろう?以前はああだったのに」。そんな考えが浮かんだとしたら、しばらく深呼吸をして、その考えを払いのけてみよう。過去のあなたがつくりだした現在のあなたは、とても素敵だ。誰よりもきちんと生きてきた。」(p.22.23)
「どんな理由の涙も、心が弱いから流れるのではない。」(p.25)
「がんばらなくてもいいし、いまできないなら、少し休んでからやり直せばいい。」(p.26)
「思う存分幸せになってもいいし、好きになってもいい、そんなことが近づいてきても、ためらうようになった。ここでいま幸せになりすぎたら、あとに続く不幸がいっそうつらくなるかもしれないという不安のせいだった。訪れる幸せには努めて冷淡に振る舞った。どうせいつか去ってしまうとわかっているから、この瞬間をあまり楽しまないで、あとで不幸にならないほうがいいと思っていた。」(p.30.31)
「晴れた日ばかりは続かないし、悪天候の日もある。雨脚が強いままのことも、雷まで鳴っていまにも崩れそうにうるさい日もある。良い日があれば悪い日もある。」(p.35)
「これまでうまくやってきたと信じる気持ちを捨ててはいけない。うまくやり遂げるという確信を失くしてもいけない。揺らめく波のように、しばらくの間揺れるのはかまわないけれど、信じる気持ちを水中深くに置いてしまってはいけない。十分にうまくやってきたのだから、一瞬の困難に立ち止まらなくてもいい。行こうとしていた方向を信じて前進する番だ。」(p.36)
「時間とエネルギーは自分の好きな人たちに使いたかった。」(p.38)
「不快感を表すという警告を何度かしたにもかかわらず繰り返すなら、理解する努力をやめた。ふたたびいい関係に戻ろうという決定を下しもしなかった。他人ではなくひたすら自分のために、意を決して縁を切ることを選んだ。」(p.38.39)
「よりよい人になりたいと思う日々だ。ずっと一緒に楽しくいたいから、好きな人たちに対してはいっそう心を砕き慎重に生きていく。好きな人たちのためにうまく生きていきたい、そんな今日だ。」(p.40)
「何もかもやめてしまいたいほど手に負えない瞬間がある。過去をしょっちゅう振り返ってしまって、後悔したり考えてしまうわびしい時間もある。それでも生きるに値する理由があるとすれば、愛する人と共に食べるおいしいご飯だ。」(p.56)
「「つらい」。この言葉は決して、「わたしはこの世でいちばんつらくて、味わっている苦痛は誰よりも大きいから、みんなわたしのこと気の毒だと思って慰めて」という意味ではない。「最近ちょっとつらいことがあったんだけど、話を聞いてくれる?一度洗いざらい話してしまえば、もう一度歩き出せると思うんだ」という意味しかない。」(p.60)
「すべての歩みに責任を感じて進むということは、その一歩一歩は怖くても勇気をもって進むということだった。最初からうまくはいかないのだから、わたしはわたし自身を信じて、努力していまを過ごす、それが本当の責任感のある姿勢だった。」(p.81)
「いつも申し訳ないし、まだまだいたらない娘だけれど、母さえかまわないなら、来世も母の娘として生まれたい。」(p.101)
「ずっとずっと愛し愛されながら、温かく暮らしていきたい。」(p.106)
「速くも遅くもなく安定感のある鼓動が伝えてくれた。本当に愛している、と。」(p.110)
「時間が長いからといって、愛が減っていくわけでは決してない。同じだけ広がって深くなる愛がいい。」(p.111)
「不思議だけれど、あなたと食べるご飯がいちばんおいしい。あなたと歩くのがいちばん楽しいし、映画もあなたと見るほうが面白いし、あなたと話すのがなによりわくわくする。」(p.111.112)
「ずっと長く。永遠になるそのときまで。愛し合おう。」(p.112)
「愛が時につらくても、弱い日があったとしても、壊れることなくしっかり守り通してほしい。」(p.115)
「幸せな日も、悲しい日も、また腹が立つ日もあるけれど、それでもわたしたちは一緒にいるだろうと信じて生きている。」(p.116)
「人生とは手ごわいことがひっきりなしに起こるものだと言うけれど、大丈夫。わたしたちなら上手に打ち勝てるとわかっている。」(p.125)
「わたしにとっては、「大好き」という三文字よりも温かい言葉だ。「眠れた?」。」(p.143)
「バイバイ、愛する人。もう、死ぬまで会えないでしょう。同じ国、同じ地域に住んでいても、遠い宇宙と同じぐらい離れているかのように生きていかないといけないと思います。身に染みて悲しいから、夜はときどき枕を掴んで泣くしかないでしょうね。いっそ最初から出会わなければよかったと、ため息をつくたびに苦しむかもしれません。会いたい、声が聞きたいと、まるですすり泣くように、一緒に撮った写真を取り出して見るでしょうね。さよなら。」(p.150)
「なぜ恋愛をしないのかと数えきれないほど質問され、忙しいからと言い逃れるのも毎度のことだった。まだきみを忘れられないからとは言えない。」(p.164)
「ぼくはまだきみの写真を削除できない。戻ってくると信じているからでもなく、引き留めたかったという未練でもない。ただ、ぼくにとっては愛する人だった。そして、いまでも愛する人なんだと思う。どこかできみが元気にしている、それでぼくは十分だ。二十代のころ、きみをあふれんばかりに愛していた記憶だけでも、ぼくは豊かに暮らしていける。結婚、本当におめでとう。」(p.168)
「実はうまくいかない自分の人生がとても怖いんだ、ときみに言うことがこの世でいちばん難しかったから、ぼくたちは他人同士になった。」(p.169)
「恋愛の終わりが何か、わかってしまった気がします。」(p.178)
「誰もわかるわけがない。当事者にもわからないのが恋愛の終わりだ。」(p.179)
「残念ながら、どんなに大きな愛を与えても直らない人のほうが多い。「わたしがこうしてあげれば変わるのでは」「あの人をわたしが変えてあげられるのではないか」という考えは、ただの悲しい傲慢だ。誤った信頼のせいで、つらくなるとわかりきっている愛の道を進む人を止める方法はない。」(p.182.183)
「合わせていくということは互いを尊重してこそだ。」(p.187)
「あなたとの二度目の別れで理解した。わたしたちの別れは誰の過ちでもない。ただ、縁がここまでだったというだけ。合わせようとしても合わない、そんなやるせない縁だっただけだ。愛して、傷ついて、ふたたび愛したけれど。」(p.190)
「ふと思い出したり、あえて思い浮かべたりする、そんな人がいるよ。」(p.198)
「でもほら、記憶は引き留めようとしたってぼやけていくものだから。」(p.199)
「夜遅くまで酒を飲んでいたら、恋人としては心配になって当たり前だ。相手の心配を減らすための行動は基本的な礼儀だ。」(p.206)
「愛している、ありがとう、幸せだよ、そんな愛情のこもった表現を惜しまず、恋人同士であれば当然守るべきことを守って、縁の体力を維持し、また育てなくてはいけない。」(p.208)
「薄い紙も重なれば厚みのある塊になり、ごく小さな土くれも集まれば高い丘になるように、小さな痛みも積もり積もれば致命傷になるのだ。」(p.216)
「自分ではない存在は自分と違って当たり前、と認め合った関係だ。自分のやることが正解ではないし、自分のやり方に全員が従うべきという考えをひっこめること、それが友人関係でもっとも重要だ。」(p.222.223)
「人間関係で振り回されたり傷ついたりもしながら出した結論は、「単に付き合いが長いからといって、それが縁を維持する理由にはならない」というものだ。」(p.224)
「長い付き合いという理由だけで、懸念や悲しみを甘んじて受け入れる必要はない。これまでの幸せな記憶に申し訳ないと思わなくてもいい。これからの自分がより笑顔でいられる決定をするのが懸命だ。」(p.224)
「人がいいと言うものがいいのではなく、自分がいいと思うものがいい、という考えを決して忘れてはいけない。」(p.228)
「深く考えることをほとんどせずに過ごすのに慣れてしまうと、後輩が出会った男のように相手の気持ちに配慮しなくなり、自分の言葉が誰かに与える余波を予想する力もないほどに未成熟で無礼な人になりがちだ。」(p.232)
「人間関係で傷つくのをやめたいから誓った。すべての人に対して同じ基準で心を許さない、と。」(p.236)
「子どものころは人といれば寂しくない気がしてよく一緒にいた。でも、そこそこ大人になったら変わったんだよね。」(p.244)
「心の結びつきが固くて重いから簡単にぐらつかない、そんな関係がいい。」(p.247)
「人生において、楽しさの基準は他人よりも自分に合わせて過ごすほうが幸せだ。」(p.255)
「恋人ができた異性の友人には、用もないのに二人きりで食事をしようとか、映画を見ようとかいう連絡をしない。SNSでハッシュタグをつけたり、会いたいなんて余計なコメントを書かない。友人の恋人と会うときは、友人の昔の恋人に関する話をしない。恋愛中なら、恋人との約束を守るために最善を尽くす。初対面なのにその人を評価すると言い訳をして試したりしない。わたしの基準では、少しでも相手に対する配慮をわかっている人ならごく当たり前に守るべきことだ。奥深い理論や思想ではなく、基本的な礼儀であり、簡単に守れる内容だと思っている。」(p.277)
「一度の消毒でよくなる程度の浅い掻き傷ができるのが怖くて、跡が残るほど深い傷になるまで化膿させておかないでほしい。関係を維持するときに、小さな掻き傷のひとつもできないわけがない。健やかな関係とは、直してもらうべき点、残念な点、気に病んでしまう点などを話し、すり合わせながら一緒に強くしていくものだ。」(p.279)

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