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ライブに行くということ


職場で有給申請しようものなら「今度はどこであるの??」と、当たり前のようにライブに行く前提で訊かれるようになってきた今日この頃。理解のある職場で大変ありがたい。いつも本当にありがとうございます。
同じ職場の先輩もよくライブに行く人なので、2人でやれ次のツアーはいつだ、どこそこの公演に行くかどうしようか、みたいな話をしていると「なんでそんなに行くの?」とも訊かれることがしばしばある。だよね。
答えはもちろん"その日にしかないものが見たいから"でしかないんだけど、年に1、2回ライブに行って充実してたな〜!と満足していたあの頃にはもう2度と戻れないなとつくづく思う。


去年のACIDMANのre:Loopツアーは初日とセミファイナルに参加した。
ツアー初日、買うつもりのなかったリピートのTシャツが急にどうしても欲しくなったので買って、それを着てライブにのぞんだ。
ライブが始まり、リピートの演奏中のことだった。
ステージの背景に映し出された木々の映像と、ファンアートとして自分で撮ったリピートのイメージフォトが重なって、なんだか壮大な答え合わせができたような気持ちで眺めていた。自分の好きだと思ってきたもの、思っているものはそれでいい、そのまま好きでいていいんだと言ってもらえたように思えて、涙が止まらなかった。

"光の中に 意味を見つけて 忘れぬように色を付けた"
この歌詞からぼんやりと光合成をイメージしていた。


セミファイナルでのリピートは泣かなかったけれど、今度は波、白くの"往けと 響く"のところで、真っ向からエネルギーをぶつけてくるかのように音を鳴らすACIDMANの3人がただただ本当にかっこよくて、かっこよすぎたことに対して感極まって泣いた。



toconomaと一緒にthe band apartが金沢に来た日のライブ。
ピルグリムの"果てない日々の"の荒井さんの歌い方が、今までライブで聴いてきた中で1番好きだな、と思った。いまだにその時の荒井さんの歌声と表情を覚えている。


配信されていたNulbarichのアリーナ公演。のびやかに自由に歌い上げるJQと、ひとりひとりがそれぞれのノリ方で踊って揺れて楽しんでいる笑顔のオーディエンス。映像の色合いとカメラワークがとても良かった。
JQがサウンドを鳴らしたまま一旦捌けた後に始まったバンドセッションが、これまためちゃくちゃかっこよかった。JQが残していった音に2組が全く表情の違う展開を繰り広げていって、すごくすごくわくわくした。



同じく配信で観たBUMP OF CHICKENのaurora arkのツアーファイナル。
BUMPは特別好き!というほどではないけれど、昔から知ってるバンドだし、aurora arkに収録されている記念撮影という曲がたまらなく好きで音源は何度も聴いており、ライブ行ったことないし、まあせっかくだから…といった流れで観た。
ライブver.の記念撮影は、あんなに繰り返し聴いていた音源を一瞬で遥かに超えていった。それほど心打たれた。
ところどころアレンジされた歌詞、メロディー。フェイクの入れ方。

メンバーの関係性がうかがえるような様子も捉えられていて、なんだかそれが果てしなく尊くて綺麗で、BUMPはそれほど…なはずだったのに、途中から泣きながら観てた。バンドっていいな、と改めて感じた。
今でもラスサビ前の「投げたんだ」を聴くと、喉の辺りがきゅっとなる。


Suspended 4thとa flood of circleの対バンの後、数人で行った打ち上げ。
初めてお会いしたXのフォロワーさんが仰っていた「(好きなバンドは)今日は何が起こるんだろう、どんな景色を見せてくれるんだろうってワクワクさせてくれる存在。だからライブに足を運んでる」という言葉が強く印象に残っている。


人生最高に満たされた2日間、SAI2022。
転換中にご飯に行っておこうと立ち上がったところで始まったbacknumberの音出し。初めて耳にする清水依与吏の生歌に一瞬のうちに捕らわれてそのまま腰を下ろし、結局リハから出番終わりまでしっかり見届けたこと。
刺すような眩い照明に、THE BACK HORN岡峰光舟が力強くベースを弾き倒すシルエット。
駆け抜けるようなメロディとともに「俺たちは行くよ」と言い放ったDOPING PANDAフルカワユタカ。
ステージ裏の演者用階段を通じて下フロアから聞こえてきた、Mr.Children桜井和寿の発声。その桁違いな声量にざわついていた客席。


ACIDMANのANTHROPOLOGY2ツアーの金沢公演。MCで大木さんが何気なく言った「きっと今この瞬間のこともいつか忘れると思う」という言葉。だったらずっと忘れたくない、と強く強く思って、今日までずっと覚えている。これからもずっと覚えていたいと思う。


ライブといっても20分の出番か、2時間半のワンマンか、様々な形がある。どちらにせよ記憶に残すことができるのは、そのうちのほんの少しだけ。
それでもその「ほんの少し」は、家で音源を聴き続けるだけでいたら得られなかった一瞬。ずっと大切なものになる一瞬。


その日にしかないもの。一生残る一瞬。
そのためにこれからもまたライブに行く。





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