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アイアンガール ULTIMATE WEAPON譚

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アイアンガール ULTIMATE WEAPON譚
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アイアンガール ULTIMATE WEAPON

アイアンガール ULTIMATE WEAPON

この原稿は『月刊シナリオ』2015年2月号に掲載されたものです。

『アイアンガール ULTIMATE WEAPON』を脚本した。

1月17日より、全国で順次公開される。

 ストーリー案決定までには、様々なアイディアが挙がっては消え、多くの時間を要した。

 「マカロニ・ウエスタンで行こう!」元信克則プロデューサーが路線を掲げてからは、早かった。第一稿を上げて以降、大幅な変更もなく、実際に撮影

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早乙女クリス(アイアンガールUW)

早乙女クリス(アイアンガールUW)

荷物を担いだクリスが歩いて来る。

ケントが待っている。

ケント「どうしても、出て行くのか?」

クリス「見付けたいモノがあるのよ」

ケント「記憶か。何故、そこまで過去にこだわる?」

クリス「どうして、テツヤがアンドロイドになったのか? 自分がいったい何者なのか。知りたいのは当然よ」

ケント「テツヤは死んだンだ、お前は生きてる。それでイイじゃないか。ここで、仲間と未来を築こう。や、あの、俺

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アイアンガール ULTIMATE WEAPON

アイアンガール ULTIMATE WEAPON

○黒味
     ――に英語と中国語でタイトルが流れる。
T  「2021年、第三次世界大戦が勃発。日本に原爆が投下され、
    核の冬が訪れた。国連は日本を隔離地域とし、
    周囲に高い防御壁を設置した」
T  「世界から孤立した日本政府は、組織化された民兵に攻撃され、
    防衛軍が制圧にかかったが、激戦の末に敗退し、
    事実上政府は崩壊した」
T  「その後、武器密輸で外貨を稼

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竜崎ケント(アイアンガールUWより)

竜崎ケント(アイアンガールUWより)

○廃墟ビル・支部長室

   シャークが現れ、ケントの背中に銃を向ける。
シャーク「女の首にスパルティ様が懸賞金を掛けた。
    大人しく、喋った方が身のためだぜ」
ケント「こいつは笑える。『ミイラ取りがミイラ』って訳か」
シャーク「知らなきゃ、地獄へ落ちるのみだ……」
   シャークが銃のトリガーを絞る。
   次の瞬間、ケントが袖のナイフを取り出して、シャークに投げる。
   ナイフが心臓に

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花村ミリア1(アイアンガール UWより)

花村ミリア1(アイアンガール UWより)

○コロニー・表(夕)

   花村ミリア(18)が干したシーツを取り込んでいる。
   ミリア、シーツの匂いを嗅いで、
ミリア「……(と、微笑む)」
   遠くからケントが歩いて来る。
   ミリアがケントに手を振って、
ミリア「ケント!」
   と、駆け寄る。
ミリア「良かった、無事だったのね」
ケント「ミリアを置いて、逝く訳にはいかんからな」
   と、歩いて行く。
ミリア「……」

花村ミリア2(アイアンガール UWより)

花村ミリア2(アイアンガール UWより)

○コロニー・倉庫(夜)

   クリスとミリアが座っている。
ミリア「ねえ。最初に誰を思い出す? 記憶が戻ったら」
クリス「記憶が?(と、考えあぐねる)」
ミリア「私ならね……。見て!」
   と、一枚の写真を取り出す。
   ミリアと父母の、家族写真。
ミリア「パパとママ。あの頃は楽しかったなァ、
    この思い出は私の一番の宝物!」
クリス「今は、どうしてるの?」
ミリア「殺されちゃった。ス

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ジェイル(アイアンガール UWより)

ジェイル(アイアンガール UWより)

○ジェイルの営業所・所内

クリス「早く、手配書を……」
ジェイル「ああ、そうだった……。次の獲物は厄介だぜ」
   と、賞金首の手配書をクリスに手渡す。
クリス「(見て)……500キャッシュ」
   手配書には、ポイズンの顔写真が描かれている。
ケント「ポイズン……」
ジェイル「チャージと合わせれば、それで1万キャッシュになる。
    いよいよ、ストレージが手に入るな」
クリス「ええ。それまで

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ジュリア(アイアンガール UWより)

ジュリア(アイアンガール UWより)

○荒野(早朝)
   クリスが力強く歩いて来る。
   並んで、スナッチが歩いて来る。
   対面から、ジュリアが歩いて来る。
   二人、互いに警戒して距離を詰める。
クリス「(ジュリアを見る)……」
ジュリア「(クリスを見る)……」
   視線を逸らさず、スレ違う二人。
クリス「!?」
   と、殺気を感じて身構える。
ジュリア「イイ目してる。獲物を狩る野獣の目」
クリス「……奴らの仲間じゃな

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博打の保険

この台詞は、下品すぎてボツになった酒場のジョーク場面です。

A:賭場の客
B:賭場の客
C:賭場の客

○場末の賭場
   AとB、Cがポーカーをしている。
A「ギャンブルには鉄則がある。保険を掛けるって事だ」
C「どういう事だ?」
A「或る男が、酒場の主人と賭けをした。俺の息子はライフル級に正確だ。5メートル先のビアジョッキに、一滴も溢さず小便を入れられる。主人は言った。『じゃあ、入らない方に

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酒場の客

この台詞は、下品すぎてボツになった酒場のジョーク場面です。

A:酒場の店主
B:酒場の客
C:酒場の客
女:ウェイトレス

○場末の酒場
   Aが、ハブ酒のボトルをテーブルに置く。
A「いいか。この酒は、そんじょそこらで買えるモンじゃねェぞ?」
   BとC他、他の客数名が聴いている。
C「違いねェ。蛇が入ってるぜ」
A「それだけじゃねェ……。コイツはハブ酒と言ってな。お宅の息子をギンギンにし

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