Jを目指さないからと言って決して「意識低い系」ではないんです!(ぷんぷん)

よく「意識高い系」という言葉を見聞きします。いわゆるネットスラングで、「そんなにレベル高くないにも関わらずプライドだけはやたら高い」とか「勘違いしてんじゃね?」といった見られ方をしてしまう、ちょっと残念な人たちの総称みたいな使われ方をしてますね。
でもちょっと待ってください。そもそも「意識高い系」であるということは、それだけ向上心旺盛という見方もできるのではないか。まあ、結果が伴ってないからそう見られるだけなので、個人的には「意識が高い」ことは決して悪いことではないと思います。

サッカーにおいて「意識高い系」といえば、ほぼ間違いなく「Jリーグ目指します!」と声高に唱えている、現状JFL以下のチームと言えるでしょう。なかにはいわきFCのように10000%ガチなところもありますが(そもそもこの世には10000%なるものは存在しませんが…(笑))、なかなかそこまで突き抜けたチームはありません。まあ「そう言わざるをえない」チームも少なからずこの世には存在するわけで(ある種の問題発言(笑))、それらも含めて「意識高い系」と世間ではまとめてしまうわけです。

じゃあ、今JFLや地域リーグにいる「Jリーグを目指さない」チームは「意識低い系」なのか?という逆説が出てきてもおかしくなさそうです。が、その答えは「NO」と言えます。なぜなら、もし彼らが「意識低い系」だとしたら、何故夏の一番暑い日中の時間帯にフルコートフルタイムのサッカーをやるのですか?普通の人なら絶対やらないですし、やりたくないでしょう。それを彼らは文句を言わず(まあ、ぶつくさは言ってるでしょうが(笑))、さらに自ら身銭を切ってサッカーをやってるわけです。私からすればむしろ、彼らの方が「意識高い系」ですよ、ほんと…

というわけで、いつものようにダラダラと長い前置きですが、そんなJリーグとは一切無縁な神戸FC1970 vs京都紫光クラグの試合を、明石のきしろスタジアムで見てきました。
ホームの神戸FCは、チーム名にもあるように1970年創設で各年代に渡りチームを運営している名門クラブ。私が幼少の頃よりずっと関西リーグに所属していたのですが、2011年シーズンに兵庫県リーグに降格。10年のブランクを経て、今年関西リーグに復帰しました。
対する京都紫光クラグも京都が誇る超名門クラブ。同様に幅広い年代のチームを持ち、こちらもやはり幼少の頃より関西リーグに所属し続けています。
関西のアマチュアサッカーを語る上でも極めて重要な両チームですが、トップチームに所属する選手が必ずしも育成年代からの持ち上がりではない、というのも共通の特徴です。特に京都紫光クラグは、サッカーだけ上手くてもダメ。社会人としての人間性も重視して入団を判断する、社会人チームのお手本のようなチームです。神戸FCは、サッカーを生業とせず一社会人としてサッカーを続けていく選手を受け入れる方針で、特に近年は「関西に転勤したら、神戸FCへ」みたいな流れが、関東でサッカーを続けている社会人プレーヤーのなかに浸透しつつあるようです。

いかにも「社会人らしいな〜」という入場の仕方の両チーム。そんなにきっちりしなくていいんですよ…(笑)

試合は序盤から神戸FCが前線からのハイプレスで主導権を握るも、京都紫光のキーパー浅野の好セーブでゴールを割ることができない。この浅野選手、元々はかつて関西リーグに所属し、地域決勝大会にも出場した三洋電機洲本の正キーパー。34歳となる今年もバリバリ現役で活躍されてます。
そんな浅野の活躍もあり、前半は0-0で折り返す。

小柄ながら、さながら大魔神の如くゴール前に立ち塞がる、京都紫光のキーパー浅野

右から精度のいいクロスを上げる、神戸FCの金島。前所属は関東リーグ1部のCriacao Shinjuku。

新卒1年目からずっと在籍している神戸FCキャプテンの小幡。長い県リーグ時代の下積みを経て、初の関西リーグの場で生き生きと活躍しています。

後半に入り、暑さもあってか神戸FCは60分を過ぎた頃から足が止まるようになる。そこから京都紫光が反撃を仕掛ける。しかし、こちらも神戸FCキーパー宮脇の好セーブに幾度とゴールを阻まれる展開。

京都紫光の猛攻を必死に凌ぐ神戸FC。キーパー宮脇も決して大柄ではないが、ゴールまでの存在感はハンパない。

ゴール前の僅かな隙間を狙ってゴールを狙う京都紫光20番山浦。JFL昇格したTIAMO枚方の屋台骨だったFWは、紫光にきてもその輝きを失ってはいない。

元バンディオンセ加古川の鈴木。怪我に悩まされたが、克服して再びピッチに戻ってきた。これならまだまだやれそうです。

試合は両者ともゴールを奪うことができず、0-0で終わった。しかし、最後まで勝利への執念を露わにした激しい内容の好ゲームでした。特に京都紫光は緊急事態宣言期間中、練習が出来ないという理由から活動休止を余儀なくされ、コンディション的にも決していいとは言えない状態。そんな悪条件での試合で90分間手を抜かずに戦い抜けたことは大きい。また神戸FCもここまで関西リーグで十分戦えていることに、チームとしても選手個々にしても手応えを感じているでしょう。
そしてなによりも、こんな悪条件下でピッチを駆け回ることがどれだけ大変なことかを考えると、彼らのような社会人チームこそ「意識超高い系」と言っても過言ではないと、声を大にして主張したい!そして、そういうチームは関東、関西以外にも存在するということも、声を大にして言いたいとそう思うわけです。

選手の皆さん、これからもっと暑い季節になります。体調、熱中症などに十分気をつけて、サッカーを続けていってもらいたいとそう思う次第です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?