今年の関西リーグを眺めながら、元J→監督というキャリアについて少しだけ考えてみる、というお話

関西リーグが開幕しました。JやJFLと違い、14試合という試合数の少なさから開幕で躓くと優勝戦線から離脱する、ということも十分あります。また、開幕から勢いが付いたチームを止めることが出来ず、リーグが超混戦になるケースもあります(一昨年やその前の年の関西はそうでしたね)。どの試合とて気を抜けないリーグ戦が始まりました。

開幕は毎年恒例の淡路島の秘境(笑)、アスパ五色での集中開催でした。日曜日しか行かなかったのですが、メインサブ2面使っての同時開催はなかなか慌ただしくて、それはそれでまた楽しいものです。
第2節は初日の土曜日は雨、日曜日は快晴でやや暑い中での試合。ピッチ状態やコンディション調整が難しかったのではないでしょうか。
第2節は2日間でDivision1の全8チームを一通り見ることができたので、まずは各チームの雑感について触れておきます。

4/9@アスパ五色 飛鳥FC 1-2 FC BASARA HYOGO、おこしやす京都AC 1-1 レイジェンド滋賀
4/15@ビッグレイク 守山侍2000 1-0 飛鳥FC、レイジェンド滋賀 2-1 Cento Cuore HARIMA
4/16@J-GREEN 関大FC2008 1-0 おこしやす京都AC、FC BASARA HYOGO 0-1 アルテリーヴォ和歌山

ビッグレイクでの試合が雨で写真の撮れ高があまり芳しくないということもあり、3日間の試合をチーム別にまとめて書いておきます(笑)
まずは去年のチャンピオン、アルテリーヴォ和歌山から。メンバーがかなり入れ替わったとはいえ、去年よりもレベルアップは出来ているという印象でした。去年から在籍している関、田口がいい感じで攻撃に機能しています。去年は飛鳥に移籍した高瀬や栃木シティに移籍した宇都木頼みだった中、目立たない存在だった田口が効いているのはチームにとってはプラスではないでしょうか。あとは、ペースを相手に握られた時の対応をもう少し上手くやれれば問題ないでしょう。この日のバサラの後半のラッシュにはかなり手こずっていたので、少し気になりました。

7番堀野のクロスを10番田口が合わせるも
BASARAのキーパー鶴田に惜しくも阻まれる。
先制点は決めたが、もう1点決めたかったシーン。
DFをワンタッチで交わして突破を図る11番北野。
鈴鹿から来たFWが攻撃の幅を拡げられるか?

2位の飛鳥FC。こちらもやはり大量に選手が入れ替わったのですが、こちらはかなり重症の模様。開幕戦は明らかにプレースピードが遅く、ゴール前に行くまでにすでに守備を固められてどうすることもできずに手詰まり、2節では多少攻撃のテンポは上がったものの、そこから先のプランが全くないようで、やはりゴール前で手詰まる。仮に去年のオフに引退した絶対的ストライカーの日高がいたとしても、今の飛鳥ではおそらくどうすることもできないくらい酷い状態だったように思います。リーグは今から天皇杯予選とGW休暇に入るので、その間にチームを立て直さないと優勝争いはおろか、残留争いに巻き込まれる可能性すらあります。ちょっと心配ですね…

19番清川、14番貫名はおこしやす京都から、
13番中西はアルテリーヴォ和歌山からの移籍組。
そしてアルテリーヴォから移籍の52番高瀬。
新加入の多いチームをどう纏めるがカギとなりそう

3位のCento Cuore HARIMA。一昨年に現役引退して監督に就任した、東京ヴェルディなどJチームを転々と渡り歩いた佐野裕哉さんが、今年は監督兼選手として現役復帰したことで注目を浴びることになりましたが…。開幕戦、2戦目ともスタメンからバリバリ出場しているせいか、良くも悪くも「佐野裕哉のチーム」になってしまったかな?という印象です。朝から降り続く雨のため、ピッチコンディション最悪の中でもしっかりとしたボールキープやスペースに走る味方にピタッと合わせた絶妙なパスなどは流石でした。しかしボランチとしては運動量も少なく、徐々にスペースを相手に使われ出したので前半で交代したが、すでに相手ペースの展開は変えられず、後半はほぼ何もできない状態でした。先制点も前半開始30秒のセットプレーだったので、今の段階では完全に「佐野裕哉のチーム」としか評価できないですね。こちらは継続して見ていく必要があるかと…

開始約30秒、佐野のCKから先制点を決める。
しかしその後は思うように攻められず苦戦する。
1点ビハインドの中、獲得した最大の決定機も
必死のディフェンスの前にゴールを奪えず。
終了間際のクロスに9番堀田が合わせるも
ボールはゴールのわずかに外へ…

4位のおこしやす京都AC。元々少数精鋭のチームですが、今年は大幅に選手が入れ替わったことに加え、監督も全くの外部から招聘するという完全な未知数の状態からのスタートとなりました。アンダー代表やJFAアカデミーなどで監督経験のある吉武博文さんを呼んだということは、失礼ながらチームとしては今年の昇格というのはほぼ眼中になく、将来のJFL昇格に向けての足掛かりの1年という認識でOKかな?と思っています。地域レベルの選手にとっては非常に難易度の高い戦術を趣向する監督でしょうから、やはり試合の進め方や流れはまだまだ良くない、いや悪いです。でも開幕戦のゴールは、選手間のちょうどいい距離感を保てた時間帯に生まれたことを考えると、あとはその時間をどれだけ長く作れるか?がチームのカギになるでしょう。

開幕戦の同点ゴールはDFを翻弄しての流れから。
やりたいサッカーが少しだけ出来た時間帯でした。
16番山本がシュートを放つもDFが足で阻止。
彼が今年のおこしやすの攻撃のキーマンでしょう。
キャプテンマークを付ける19番の野田。
吉武イズムを拡める伝道師として期待される。

5位のレイジェンド滋賀。開幕から好調と言っていいでしょう。上位4チームと違い、選手の入れ替わりがそれほどなかったこともあり、去年からの積み上げが見て取れます。また、関西ではなかなか少ないハイプレスを志向するプレースタイルは効果的で、チャンスは多く作れています。あとはシュートの精度を高めるのと、6月以降の暑い季節をどう凌ぐ次第では十分に上位を狙えるだけの実力はあると思います。今年はJFLでもレイラック滋賀が好調です。リーグは違えど、今まで上位争いとは無縁だったこの2チームがそれぞれのリーグで上位争いをするようになれば、滋賀のサッカーも盛り上がるのではないでしょうか。

開幕戦のおこしやす戦での小國のゴール。
関西リーグきってのストライカーは今年も健在。
キーパーのミスを突いて26番の樽井が押し込む。
ルネス学園から来た点取り屋のリーグ初ゴール。

6位の守山侍2000。Division1では唯一、JFL昇格志向のない純然たるアマチュアチームということもあり、去年からのメンバーのほとんどが残るメンバー構成です。戦い方はとにかく粘り強く守り、タフに攻めるストロングスタイル。Division1昇格初年度も、その粘り強さに苦戦したチームも多かったですが、今年も苦戦するチームが続出しそうな予感です。特にFWの9番三田尻は最も警戒しないといけない存在。この日も雨でピッチの状態の悪い中、優れたボディバランスから決勝ゴールを決める。彼の活躍がチームの勝敗を握りそうです。

飛鳥FC戦で見せた三田尻のビューティフルゴール。
リーグ得点王を虎視眈々と狙うストライカーです。
エリア内でキープしつつ、しっかり叩く10番西崎。
それをつけてシュートを放つ16番小酒井。
カウンターだけではない攻撃にも注目。

去年Division2優勝のFC EASY02明石から名称の代わったFC BASARA HYOGO。チーム名も体制も新たになったが、去年の主力がそれなりに残ったのでDivision2優勝の実力が試されるシーズンとなりそう。前線は去年からの13番築山、8番小延に加え、新加入の32番北原、19番古谷などのスピードとパワーを備えたFWが加わり、攻撃の厚みは増したかと。カウンター中心の展開になると予想される今シーズン、タレント豊富なFWが活躍すると上位陣を脅かす存在になりそう。

縦突破からシュートを放つ19番古谷。
栃木シティU-25から来たスピード系のFWです。
32番北原の鋭い突破からのラストパス。
それに反応した13番築山にはわずかに合わず。
コンビの構築にはまだ時間が掛かるのかも…
5番山中からのパスを受けた古谷がシュート。
キーパーの横を抜けるもポストに当たり、
跳ね返ったボールがゴール前に溢れる。
そのこぼれを押し込むもDFに跳ね返される。
これが決まっていたら同点、惜しいシーンでした。

去年Division2の2位で辛うじて1年でDivision1復帰を果たした関大FC2008。学生チームはこの時期、チームがまだ固まっていないケースが多いのですが、今年の関大FCに関してはかなりいい仕上がりではないかという印象です。守備もしっかり集中して守れているし、攻撃、特に鋭いカウンターなどは一瞬で仕留めてしまうくらいの勢いがあります。特にこの日の先制点は、おこしやすのDFの隙を突いてスルスルと抜け出してのゴール。見事でした。また1年で下に落ちるわけいかないと言った強い意志を感じる開幕スタートです。油断してると痛い目に遭いそうです。

13番河岡の先制ゴール。
スルスルとDFの間を抜けて一気にゴール前まで。
難しい角度から倒れ込みながらのファインゴール。
89分、ダメ押しとなる10番松名のゴール。
この2点目がこのチームの自信となる予感が…

以上、ざっとですが今年の関西リーグDivision1全8チームの印象です。今年は上位下位の実力差が比較的小さいような印象なのでどこも上位争い、あるいは残留争いに巻き込まれる可能性を大いに含んだシーズンになるのではないかと思います。どの試合を見ても存分に楽しめるでしょうから、機会があればぜひ会場に足をお運びください。

監督兼選手の最適解は監督がメインなのか?それとも選手がメインなのか?

さて、今回の本題はここから。
今年、現役復帰と共に監督兼選手という重責を引き受けることとなったCento Cuore HARIMAの佐野裕哉監督。その指揮官ぶりがどのように変わったのかな?と気になったのです。監督兼選手という場合、監督がメインなポジションなのか?それとも選手がメインのポジションなのか?ということがとても重要となります。このカテゴリーでは、どちらかというと後者が多いような気がします。というのも、去年まで現役だった選手が監督を務める場合、ある一定のレベルをクリアした選手の頭数が足りないとなった時のリザーブ的な存在として「とりあえず」監督が選手登録もするというケースも多いからです。
おそらくHARIMAの場合もそれに近いのかな?とは思います。去年のオフにかなりの人数の退団が発表されてましたので、選手の頭数が確保できるまでの「暫定措置」ということなんだろう、と開幕前は思っていました。しかし実際、開幕したらそんなことない。監督自らスタメンでバリバリ出場するという展開になっていました。
それはそれで全然問題ないのです。監督自らピッチに立って、他の選手に細かく指示を出しながら自分の思い描く戦術やプレーを身につけさせることも可能ですし、それが一番選手に伝わりやすいのであればOKなんです。でも佐野監督の場合は他の選手に積極的にこと細かく指示することもなく、自らでガツガツと積極的にプレーに関与していて、果たして監督がメインなのか?いや、やっぱり選手がメインなんじゃないの?みたいな状態でした。現にこの日も佐野監督がプレーしていた前半ずっと続いていました。
それに加えて、Jでのキャリアも100試合以上あるトッププレイヤーですから、いくら1年ブランクがあるとはいえ、走れるだけの体力と動けるだけの身体さえあれば、他のチームメイトよりもレベルは高いと思うのです。だから、

「なんで言ったことが出来ないんだ!」
「そうじゃない!こうだろっ!何回言ったら分かるんだっ!!」
「この場面ではこう、こっちの局面になったらこうするんだよ!それくらい自分たちで考えろ!」
「俺ならそうはしないな、こうやるな…」
「え〜い、もういい!イライラする!俺がやるから、それ見て同じようにやれ!!」

みたいな流れになっちゃったのかな?と思うと、ちょっと複雑な気持ちになるのです。まあ、気持ちはよ〜く分かるんですけど、それじゃあ選手は育たないしチームも強くはならないんですよね…
これって、Jでのキャリアが長い、または豊富だったりする選手が大人のアンダーカテゴリーでよく陥りやすいパターンなんです。

俺が出来るのに何でこれくらいのこと、皆んな出来ないんだ?」「これくらいのことは最低限、出来てくれないとこっちが困るんだよな〜」

などという思いから、徐々にチームメイトとの気持ちの距離が離れていき、フラストレーションが高くなって最終的に爆発してしまい、チームが崩壊してしまう…。幸いなことにCeoto Cuore HARIMAのチームの雰囲気はとてもいいです。Jのキャリアは長いものの、JFLや他の地域リーグのチームでのプレー経験も豊富なので、そこのところはよく理解されているのだろうと思います。そういうこともあってか、監督であっても選手としてプレーしていたシーズンも、そして去年の監督選任だったシーズンもチームの雰囲気は良かったです。
ただ、いくらチームの雰囲気は良いとしても、チームを指揮する立場である監督と選手との兼任となると、やはりそれではまずいのです。自分がやるということを繰り返しているといつまで経っても選手の実力は伸びないし、自分自身もいつまでもプレーを続けていかないといけなくなるのです。今はまだ若く、引退して間がないからなんとかなりますが、これが2年3年続くと流石にダメなのです。もちろんそんなことは十分理解されているとは思いますが、とはいえあまりに黙々とプレーされていたので見ている方が心配になってしまうのです。
では、同じようにJのキャリアの長かった他の選手の場合はどうなんでしょうか?佐野監督と同世代で引退、指導者をされている方のケースを見ていこうと思います。

Jのキャリアが長いことは監督として有利なのか?それとも不利なのか?

まずはG大阪で長年プレーされて、去年引退。そのままチームに残って今年から監督を務めているFC TIAMO枚方の二川孝広監督のケースを見ていきます。
二川さんと言えば、現役時代からとにかく寡黙なイメージ。普段から言葉数も少ないだろうから、選手やコーチとのコミュニケーションが不足してしまうのではないかな、と心配してしまいます。でも、今年のTIAMOのサッカーを見ていると二川さんが目指していると思えるサッカーが、きちんと出来ているように思います。その大きな要因として考えられるのは、ヘッドコーチを務める元MIOびわこ滋賀の監督だった大槻紘士の存在だと思います。
二川監督と同年代で、キャリアこそは短いものの同じ元Jリーガー。その後、佐川印刷で長年プレーをした後、SP京都FCの監督を1年、翌年は京都サンガで育成年代のコーチを3年務め、MIOびわこ滋賀に移って監督をされました。指導者としてはかなりの先輩に当たります。そんな大槻ヘッドコーチが二川監督の思い描くサッカーを具現化して選手に伝えることで、監督の理想のサッカーが出来ているのではないかと。
もっと言えばもう1人、二川監督とはG大阪で一緒にプレーした寺田紳一コーチの存在も大きいでしょう。彼なら二川監督からの信頼は厚いでしょうし、寺田コーチも二川監督のことをよく理解されていると思うので、おそらく寺田コーチが二川監督の意図を噛み砕いて、それを大槻ヘッドコーチが分かりやすく選手に伝える(あるいはその逆?)ことで、選手がピッチで迷うことなくプレーできるのではないでしょうか。監督とコーチ陣とのチームプレーで、選手がよりプレーしやすい環境づくりに取り組んでいる。そんな印象の今年のTIAMOです。

しかし、金銭的に何人もコーチを雇うことの出来ないJFL以下地域リーグのチームにとっては、監督の意図を噛み砕いて伝えるコーチを別に用意することは容易ではありません。出来ることなら、監督と意図は監督自らが選手に伝えてほしいというのが本音だと思います。では、元Jリーガーで経験豊富なうえに選手に分かりやすく自分の意図を伝えられるような、しかも現役を退いてまもないというそんなスーパーは指導者が果たしているのでしょうか?
…いるんです!専属で指導されているというわけではありませんが、ついこの前のデンソーカップで鮮烈な指導者レビューをされた、元川崎フロンターレの中村憲剛さんです。しかも彼の凄いところは、選抜チームでかつ、それぞれが別の選抜チームで活動していた選手の選りすぐりで編成された、しかもチームを結成してわずか2、3日という選抜チームを凄まじいくらい強いチームに仕上げてしまったという点です。
それぞれが皆んな選抜チームに選ばれるくらいだから、元々の能力は高いという前提はあるものの、プレーオフで敗退してモチベーションが落ち気味な選手もいる可能性のある中、たった1日2日で彼らの能力を最大限に発揮させた手腕は敏腕という単純な単語では言い表せないでしょう。それくらい凄いです。
直に指導を受けた選手たちにとっては、皆が憧れるであろうスーパースターからの指導だから当然、一言一句漏らさないように耳を傾けていたと思います。それでも、意図したことをキチンと言語化して伝えられなかったとしたら、ここまで素晴らしいチームになることもなかったかと思います。選手からの信頼と、その信頼に応えられるような対応、特に簡潔に分かりやすく伝えることの出来る「言語化能力」の高さを持ち得たからこそ、中村憲剛コーチがデンソーカップで選手の能力を最大限に発揮させることが出来たと言えるでしょう。
彼に限らず、例えば磐田などで活躍された、現在常葉大学監督の山西尊裕さんや、同じく磐田などで活躍されて今は福島ユナイテッドの監督、服部年宏さんなどもJでのキャリアもさることながら、監督としても選手に分かりやすい言葉で指導されている印象ですし、チームの成績もどんどん上向いています。そうした、高い言語化能力を持ち得た高キャリアの指導者が増えることが、アンダー年代やアンダーカテゴリーの全体的なボトムアップに繋がると思っています。
では佐野監督同様、監督兼選手という立場で活躍されている人がいないだろうか?と見回してみると、今年JFLに昇格した沖縄SVの高原直泰さんがいますが、その話についてはまた日を改めて…(笑)

佐野監督に残された時間は果たして…

Cento Cuore HARIMAの佐野監督がどのパターンに当たるのかというと、ほぼ間違いなく「寡黙な二川監督タイプ」でしょう。なにせ、去年オフの関西リーグアウォードのチーム表彰の場でコメントを求められた佐野監督に代わって「監督は超人見知りなので、代わりに挨拶いたします」と選手がコメントしたくらいの口下手なので、単独での戦術の言語化は難しいのではないかな?と感じています。それならベンチにいるコーチが代わりに言語化できればいいのですが、少なくとも試合を見ている限り、去年の佐野監督がベンチから出していた指示とそんなに大差なかったところを見ると、TIAMOにおける大槻ヘッドコーチや寺田コーチの役割をこなせているかと言えば疑問符が付きます。裏を返せば、だからこそ監督自らピッチに立ってプレーするしかない、という結論になったのかな?と思うと状況はなかなか厳しいのだろうという印象です。
そして、その選択をとった場合、結果を出すまでは間違いなく相当な時間はかかると思うのです。なぜなら、監督兼選手でチームを率いて結果を出した沖縄SVの高原監督も、JFL昇格までは7年(うち1年ちょっとは選手専任なので、実質は約5年ちょっと)も掛かったのですから…。佐野裕哉さんは監督になってまだ1年ちょっと。年齢もまだまだ若いことを考えると決して焦ることはないといえばそうなんですが、果たしてクラブがそこまで長い期間辛抱してくれるかどうか…。沖縄SVは監督兼選手である高原さんがCEOも務めている、言ってしまえば「自分のチーム」なので辛抱出来た(した?)のでしょうが、同じことがCento Cuore HARIMAでも可能かと言えば正直難しいでしょう。長くてもあと3年くらいが限界ではないでしょうか。それまでに結果(JFL昇格)を残せるかどうか。残すのであれば少なくとも今年、ある程度の成績(優勝か、もしくは地域CL出場?)を残しておく必要があるでしょう。この1ヶ月のインターバルの間にチーム戦術を高めて、勝てるチームに仕上げることができればいいのですが…、出来れば佐野監督が試合に出ることなく…。

佐野監督率いるチームはものすごくいい雰囲気で、昔から関西リーグで長年このチームを見ている立場としては、ホントにここ1、2年が歴代でも一番雰囲気がいいんじゃないかと思うくらいです。監督への選手からの信頼も厚いので、何かひとつきっかけさえ掴めればチーム状態は一気に上向くと思うのです。今年はどこも大幅に選手が入れ替わってることもあり、インターバルの間に佐野監督が思い描く戦術であったり、または動き方など、選手たちが何らかの取っ掛かりだけでも掴めることができ、そしてそれによって選手たちが自信を持ってプレーをすることが出来るようであれば、順調に勝ち星を積み上げて、そのままリーグも制することも現実味を帯びてくるでしょう。もうバンディオンセ神戸時代から数えるとリーグでも古参中の古参となったCento Cuore HARIMAには、一刻も早くリーグを卒業してもらわないといけないので(笑)一年でも早く、いやいっそ今年優勝、さらにJFLまで昇格していただきたいとそう願うのでした。


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