政治とスポーツを切り離すのって難しいよね〜と本音を漏らしてみる実験(笑)

スポーツと政治は切り離すもの、とはよく言う話ですが実際はなかなかそう簡単に切り離せないものです。
先日、W杯アジア2次予選の試合で来日したミャンマー代表の選手の1人が帰国を拒否し、近く難民申請を行うとのこと。ご存知の通りミャンマーは今年2月、軍によるクーデターが発生。それに反対する市民によるデモ隊と制圧しようとする軍隊との衝突が日々続いています。帰国を拒否した選手は試合前に反政府勢力を象徴するポーズを行い、そのことにより帰国後、軍によって拘束されることを恐れて今回の帰国拒否と難民申請を行うこととなったとのことです。
この選手の難民申請がすんなり通るかは微妙ですし、もし通ったとしてもミャンマーに残された家族がどうなるかは不透明でしょう。もし通らなければ当然強制送還となり、当人の身分の保証はされないという事態になるでしょう。残念ながら、難民申請は通らない可能性が高いのではないかというのが個人的な見解です。

さて、このような政治とスポーツとの関係で私が真っ先に思い出すのは10年以上前になるのかな?ヨーロッパでプレーしていたイラン代表の選手数名(かなり有名な選手です。興味のある方は調べてみてください)がW杯アジア最終予選で、当時のアフマディネジャド政権に反抗する勢力を象徴するカラーのリボンを付けてホームでの試合に臨んだところ、試合終了後にイランサッカー協会が彼らのパスポートを没収、それぞれ所属するチームに戻ることができなくなった、という事件がありました。その頃私は、日本代表よりイラン代表な人だったので(笑)「テメー、ふざけんな、アフマディネジャド!しばくぞー!!」と至るところで罵声を飛ばしまくってました。あの頃はまだ若かったな〜、と振り返っております(笑)
そんな事件以外でも、W杯やアジアカップの予選では政情不安を理由にホーム開催の出来ない国はあります。アフガニスタン、イラク、イエメン、シリア、レバノン辺りがそうですね。今だとミャンマーもでしょうし、かつてはキルギスとかモルディブなんかもそうだったように記憶してます。また、別の理由で北朝鮮でも開催はされてませんね。これらは全て政治絡みでの理由となります。
これがアフリカだとその国数はもっと増えますし、たとえホーム開催ができたとしてもアウェイチームの選手たちは果たして無事に帰国できるかも怪しかったりもします。実はこれが世界の半分近くの国の現実だったりもするのです。悲しいかな、政治とスポーツとは切り離すのが難しいのが現実です。

そう考えると、オリンピックに政治を持ち込むな!とよく聞きますが国家プロジェクトである以上(本来は一都市のプロジェクトのはずなんですが、もはや規模的に無理ですよね…)、政治が絡むのは仕方ないと思うのです。北京五輪やリオデジャネイロ五輪は共に経済発展著しい中国、ブラジルの国際的なアピールとしての開催であることは明らかです。また、立候補のみに終わりましたがアゼルバイジャンのバグーなんて3大会連続で立候補していました。アゼルバイジャンは石油採掘による経済成長が半端なく、さらに大統領による独裁政権が続いている国です。五輪開催はその独裁政権の世界向けへの大きなアピールとともに、さらなる経済発展に向けて外資を呼び込もうという意図が見え見えでした。個人的には2020年は東京ではなく、密かにバグー五輪を希望していました1人でした(笑)が、まあもしそうなってたとしたら今ごろ、今の日本でのゴタゴタ以上の大混乱をきたしていただろうな〜などと思ったりするわけですが…

ここまで世界的な政治とスポーツとの繋がりを見ていくと、日本におけるそれはごくごく普通のことのようにも思えるし、会場周辺で発生する反政府勢力やテロ組織による爆弾テロや選手をターゲットにした銃撃事件、負けて帰国した途端に空港で拘束されて刑務所に入れられたり、強制労働させられたりといった、理不尽な絡み方は少なくともない(まあ、汚職や賄賂はそれは法律違反なので粛々と取り締まってください…)と思います。
なので、このようなある種の有事下での五輪開催(するのであれば、いや、間違いなくするでしょうが…)は世界的にも極めて珍しい、平和な日本で開催されるのがもしかしたら望ましいのかもしれませんね。まあ、COVID-19感染拡大に十分配慮した上ですけどね…

あ〜、でもやっぱり個人的には2020年バグー五輪で、しかも一切延期せず強引に強行開催した、その後の末路を目の当たりにしたかったな〜。間違いなく世界的に地獄絵図だっただろうな〜、などと不謹慎なことを思ったりするわけです(笑)まあ、仮に1年延期でもそれはそれで今の何百倍も修羅場だったと思いますけどね…(汗)

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