東大院合格者の超コスパ数学対策
東大院生のTKです!今回は大学数学勉強時間ほぼ0の自分が4カ月で過去問8割安定した方法についてご紹介します!
0.簡単な紹介
自分は大学の授業で数学がありましたが正直授業をほとんど聞いておらず、テスト前日に過去問を軽くやる程度にしか数学の勉強をしていなかったので、受験勉強を始めた4年の4月まで大学数学の知識はほぼ0でした。そこから1日平均11時間の勉強で東京大学 情報理工学系研究科に合格することができました!過去問でも数学、専門科目ともに8割を取ることができていたので勉強法は間違っていなかったのかなと思います。
1.必要参考書の絞り込み
まず大学院の受験科目に必須な数学ですが、大学院、研究科ごとに全く範囲が異なります。最初は自分の受験する大学院で必要な範囲をしっかり見極めてください。
まず募集要項に必ず出題範囲が記載されているので、確認します。すると線形代数、微分積分、常微分方程式、確率・統計学であることが簡単にわかります。
次に、このように過去問に記載があっても、不明瞭な点がいくつかあります。例えば
②解析(微分積分、常微分方程式など)
→など???
と謎な表記がありますよね。これは暗に偏微分方程式やベクトル解析の範囲が含まれる可能性があります。
またここには記載されていませんが、過去問を実際に解いてみると複素積分だったり、偏微分方程式がちょこちょこ顔を出します。
こういった細かな範囲は実際には過去問を解いてからじゃないとわかりません。なので
ある程度自分が必要だと考える範囲を学習→過去問→プラスの範囲を学習→過去問...
といった作業を繰り返す必要があります。
基本的に自分はこの方法で学習しましたが、まあコスパが悪い。
綺麗に基礎学習→過去問と対策する方法は一つ。
過去問を解きまくった昨年度の受験者に聞くことです。
東大の情報理工学系研究科においては僕になります。ほかの研究科については同じようなブログを書いている記事を参考にすることで対応できます。情報収集は勉強効率を上げる最短の手段です。
ここで東京大学大学院 情報理工学系研究科の共通数学に関して2020年から2008年まで過去問を解いた自分が必要な学習範囲を明記します。
まず大問が3つあり、
大問1:線形代数(行列の微分まで含まれる)
大問2:微分積分・常微分方程式・偏微分方程式(複素積分が過去に1度出題)
大問3:確率統計(8:2=確率:統計のイメージ、漸化式や極限が多い)
基本的にこれらの範囲をやれば問題ないです。
2.参考書の進め方
ここからは勉強の流れですが、基本的に
講義系参考書で基礎固め→演習→過去問→演習→過去問...
といった具合に進めていきます。
まず講義系参考書は「キャンパス・ゼミ」で決まりです。自分のような初学者に対して圧倒的にわかりやすくほぼすべての基本を網羅しています。
東大院 情報理工学系研究科の共通数学では、線形代数、微分積分、常微分方程式、偏微分方程式、統計学を揃えれば大丈夫です。
次に演習ですが、最初の演習としては「キャンパス・ゼミ」の演習バージョンが簡単なレベルの演習で基礎固めに最適です。そして基礎がある程度済んだら「演習・大学入試問題Ⅰ&Ⅱ」に入ります。
※偏微分方程式は演習バージョンがないですが、講義バージョンでほぼ完ぺきになるので大丈夫です。
※いくつか「大学院への数学」や「 詳解と演習大学院入試問題〈数学〉―大学数学の理解を深めよう」など数学の入試問題集がありますがこの黄色い問題集が一番解説が丁寧なのでおすすめです。
これをやるってなると「うっ!」となる人がいますが安心してください。基本的に「キャンパス・ゼミ」が全問題解ける状態であるとこの参考書に入っても理論でわからないところは一つもないです。捻られた問題に対する対策をするだけなので基礎ができていればわからなくても「ああ、なんだ」となるので、わりといいペースで学習が進んでいきます。
そしてやっと過去問に入るのですが、過去問に入る目安は「キャンパス・ゼミ」演習バージョンの問題は100%どの問題が出ても解ける状態かつ「演習・大学入試問題Ⅰ&Ⅱ」を1周終えた程度が最適です。もちろん後者はまだそこまで理解できていなくて大丈夫です。
この段階で実際に過去問を5年分解いてみると、自分がこれから必要なスキルが具体的にわかるので、過去問の出来は気にせず「キャンパス・ゼミ」のまだ抜けているところや「演習・大学入試問題Ⅰ&Ⅱ」の2周目に突入します。
その後さらにまだ未実施の過去5年分を解いてみるとほとんどが「あ、これはあそこでやったな」とわかるようになります。なぜなら「演習・大学入試問題Ⅰ&Ⅱ」のほうが過去問より圧倒的に難しいですからね。笑
こんな風に勉強を進めていくと8割は基本的に取れてくると思います。
重要なのは「キャンパス・ゼミ」の演習バージョンの問題を100%解ける&証明が完璧にできるまで繰り返すことです
これができていないと先に進めないので、焦らずこの参考書を信頼して徹底してやりこんでください。自分は数えていませんが正直各5周以上はしています。
3.最強のノート戦術
講義系の参考書をやる際に、すべてノートに書く人がいますが自分は基本的におすすめしません。書くことよりも理解することが大切だからです。参考書に書いてある文章を自分のノートにまとめることは重要ですが、最初からすべてを書くのはかなりコスパが悪く、自分が何を理解していて何を理解していないのかが見えずらくなります。
1.講義系参考書を流し読みして全体像を掴む。その際に途中に出てくる問題は必ずすべて解く。
2.何も見ず演習バージョンで演習をし、わからなかった個所に印をつける
3.理解できていないところを講義系参考書で再び理解する。この際にわからない部分をノートにまとめていく。
すると自分が1回読んで理解できるような内容をわざわざノートにまとめる必要がなくなり、自分のわからない内容だけを含んだ超コスパのいいノートが完成します。「キャンパス・ゼミ」は講義と演習が100%連携しており、漏れがないのでおすすめです。
※ちなみに「キャンパス・ゼミ」の講義バージョンは自分のような初学者でも1日1冊読み終えて、演習問題まで解き終えられるので安心してください。
4.反復学習の極意
人間の脳は1度学んだことを1週間後覚えている割合はおよそ2割弱です。自分の場合は1割弱です。ですので絶対に数学は1度にすべてを覚えようとしないでください。
大学院受験の数学は大学受験数学より圧倒的に理論が難しいです。一度に覚えようとするとかなず挫折してゲームしだします。
なので最初はほとんど何も覚えようとせずとりあえず理解して読み進めることが大切です。時間かけても調べてもわからないものは付箋を貼ってふっとばしましょう。他の問題や他の範囲の問題を解いているとそれを理解するための力が自然についていき、時間が経ってから見ると「なんだこんなことか」とほぼ必ずなります。なので勇気をもって印を貼って立ち去りましょう。
どうしてもわからなければ僕に連絡してください。死ぬまで解説します。
1周目は1割程度の理解、2週目は3割程度の理解と同じ参考書を周回することでどんどん理解が定着していく&1周目とは違った角度でその参考書が見えてきます。これが本当に周回する上での重要なポイントで、理解が深まれば深まるほど数学は同じ数式でも意味が全く変わってきます。一つの数式を色々な角度から見えるようになれば、大学院入試は間違いなく高得点が期待できます。
なのでまずは1度で理解せず、最低5回は見直すものだと思って気軽に読みすす得ていくことがポイントです。
5.過去問の使い方
大学院入試においては過去問をどのように使うかがとても重要になります。自分は以下の過去問を入手しました。
東大院 情報理工 共通数学:13年分
東大院 情報理工 システム情報学専門科目:10年分
東大院 新領域 複雑理工:10年分
過去問を解く理由は主に2つあります。
①傾向と出題範囲の把握
②自分の合格点との差
①傾向と出題範囲を知る
大学院入試では実際にどのような範囲の問題が出るかを知る必要があるので自分はある程度知識がついた状態(キャンパス・ゼミを一通り終わった時)で直近5年分をサラッと解いてみました。その時にはあまり復習などはせず、あえて「こんな問題が出るんだ」ということを知ることにフォーカスしました。こうすると答えもあんまりわからないので、もう一度解いたときに答えがわかるという状態にもならずに傾向と具体的にこんな問題が出るんだということがわかるのでメッリトが大きいです。
②自分の合格点との差
大学院入試では大学受験と違い模試などがないために自分の今のレベルを知ることが難しいです。
そこで過去の先輩方の合格点の開示情報を元にある程度の合格点を把握します。だいたい情報理工なら6割、複雑理工なら7割。ある程度やるべき参考書を解き終えてやることがなくなったなと思ったら過去問をひたすら演習します。試験時間は長いですが、実際に問題自体は多くないので比較的早く解き終わると思います。試験時間は最初は気にしなくてもいいですが、ある程度自分のレベルがわかってきて問題が解けるようになったら時間配分も決めて解くといいと思います。
6.まとめ
大学院入試においては情報戦といっても過言ではないので、過去の合格者の記事を参考にして勉強していただければなと思います。
よく「大学院入試は誰でも受かる」ということを聞きますが、これはもともと比較的高い学力があり過去問はほとんど最初から解ける状態の人にのみ当てはまる言葉なので、自分のようにあまり大学で勉強してこなかった人はしか勉強しないと割と落ちます(笑)。ただしっかり対策して勉強すれば問題なく合格できると思いますので頑張ってください!
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