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みんなで貧乏になればいい!

~いつものパン屋で店主と~

 雨模様の三瀬、客足もまばらなので、話し込んだ。

 店主「コロナの状況見よったら、どう考えても日本の経済は衰退していくね。日本は、みんなで貧乏になったらいい。」

 ヒゲリン「昭和に戻るんやね」

 店主「そう、昭和に戻って、みんなで貧乏に暮らすと思えば、恐いものなんかない。JRは国鉄になったらいいし、ANAも国営にしてたくさん雇ったらいい」

ヒゲリン「でも、いまのように高給とりよったら、国民から批判が激しいよ!」

店主「だから、給料は下げるんよ。で、たくさん雇って、ダイヤも維持したらいい!」

 そうだなあ、と思いました。国際関係や経済の理屈は分からないけれど、大まかな考え方としては、何となく正しい気がしました。

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 すでに国民の豊かさを測る指標としてのGDPはお役御免の感がありますが、上の表は1人当たりのGDPの国際比較の推移です。日本はバブル崩壊後しばらくしてピークに達しています。その後、男女平等、福祉、教育などあらゆる面で、日本はすでに先進国ではなくなっていますが、経済的な豊かさでも、坂道を転げ落ちるように下がっています。

 ちょうど2年前のビデオニュースで、デイビット・アトキンソン(小西美術工藝社社長)さんが、日本の高度経済成長の大きな要因は、戦後の急激な人口増加(ボーナス)によるものだ、と述べていて目から鱗が落ちた思いでした。その後、成功体験に依存して新しいことにチャレンジできなかった日本は、構造的に衰退してきたと考えられます。その時は、日本人の賃金を毎年5%ずつ上げることによって、間接的に企業人に労働生産性を高める努力を促すことで、国際競争力を回復する提案がされていました。

【ビデオニュース:日本人が知らない日本の「スゴさ」と「ダメさ」】
 https://www.videonews.com/marugeki-talk/934

 2年前はなるほどと思いましたが、コロナが世界を変えてしまった現在、店主が言うように、豊かさを経済的なものに置かない価値観や社会を目指すあり方も考慮すべきなのかもしれないと思いました。


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