75 Yuming ☆ GOOD LUCK & GOOD BYE
ユーミンさんの「GOOD LUCK & GOOD BYE」を聞くと、思い出す情景があります。
夕暮れ時、赤坂門のバス停のベンチに座っていて、声がしてふと顔を上げると、いま閉まろうとする扉の中で、ニコニコ笑いながら、こちらに手を振っている女の人がいたのです。
私に向かってだったのかも不確かでしたけれど、誰もまわりの人が反応していなかったので、おそらく私に対してだったと思います。
あの人だったのかな、と思い出したのは、1月くらい前のことです。夜、友人たちと暇を持て余してどこかに行こうとなったのですが、その日はお金も行くあても全くありませんでした。しばらく思案して苦肉の策として友人Hが思いついたのが、先輩の彼女の家に行くことでした。「そんなとこ、行っていいとや?」と思いましたが、友人Hは「大丈夫、大丈夫」というので、行くことになりました。
実際に行ったら、本当に歓待してくれました。インスタントコーヒーとお菓子が出されると、友人たちは家の主そっちのけで、おしゃべりを始めてしまいました。
彼女は「何かレコード聞く?」と言いながら、ユーミンさんのLP『14番目の月』を手に取って、男どもを見まわしましたが、それをそっと棚に戻して、ハッピー・エンドのLP『風街ろまん』をかけました。誰も聞いていませんでしたけれど、その配慮というかしぐさが優しい人だなと、印象に残りました。
その時に「GOOD LUCK & GOOD BYE」はかけなかったですし、バスの内と外というシチュエーション以外重なるものはないのですが、なぜかこの曲を思い出すのです。
応援よろしくお願い致します。