41 井上陽水 ☆ 氷の世界
コーキング(建物の防水)設備の会社でアルバイトしていた時、社長の家で食事をご馳走になりながら聞かされたのが、井上陽水さんの『氷の世界』でした。
社長は、
「あんまり流行っとうけん、年甲斐もなく買って聞いてみた」
と照れるように、若者の気持ちも知りたいアピールをしている感じがありました。
それもそのはずで、LPレコードが高価だった時代、100週以上BEST10に入り、史上初めて100万枚を突破したアルバムだったのです。当時シングル曲「氷の世界」が大ヒットしていい曲だなとは思っていましたが、いま流れている1つ1つの曲が、一品料理のように価値ある雰囲気を漂わせていたので、私も買うことにしました。
どの曲もどの曲もこころを持っていかれました。画期的、エポックメーキングというのは、『氷の世界』のことを言うのだと思います。ミュージカルや映画のサントラ盤の様に、井上陽水という世界を1枚のレコードで表現し切った、至高の芸術作品だと思います。
陽水さんが創り出す、何か懐かしいような寂しいような独特な世界に没入することができて、それまでにない芸術体験を1枚のレコードで味わったような気がします。
応援よろしくお願い致します。