40 Nino Rota ☆ A time for us(Romeo and Juliet)

【MY FAVORITE SONGS 40(私は音楽でできている)】

 1968年の映画『ロミオとジュリエット』は文化的社会現象になった映画だったと思います。まず古典中の古典、シェークスピアの悲劇だということ、ニーノ・ロータのテーマ曲が大ヒットして、レナード・ホワイティング、オリヴィア・ハッセーという美男美女が主人公で、フランコ・ゼフィレッリが監督とあって、ロングランの上映でした。『ロミオとジュリエット』はそれまでもその後も何度も映画化されていますが、私にとってはこの映画だけで十分なので、他は見る必要がないと思ってしまいます。

 (いわゆる中2病の)クラスでは、(意識高い系の)女子がキャーキャー言っていたようですが、男子ではしっかりオタク化(という言葉はまだなかった)しているI君がいました。何と10数回も映画館に通い詰めて、とうとう館主にポスターを譲り受けた、というのです。

 ホームルームで、そのポスターが披露されて、担任が、『その時ふたりは、16歳と14歳であった』というコピーを見ながら、「この辺に惹かれるんでしょうね」とにやりとしたのを覚えています。元々担任も好きな系統の作品だったんじゃないかと思いました。

 「いいなあ」と思いましたが、反面、こりゃかなわんな、とも思いました。I君に持っていかれた感じで、そのあと映画は見に行って感動しましたが、そんなにのめりこまなかったと思います。

 映画『ロミオとジュリエット』を見たことは、結構、心を動かされた大きな体験だったと思います。それは多感な思春期に、シェイクスピア悲劇を通じて、人生の不可逆性に触れたからだという気がします。I君と「あの伝令が速く行っとけば、間に合っとうとに、遅れるけん、いかんちゃん」と話をしました。

 人は、あそこでああしておけば、ああしなければ、と繰り返し思うものなのだと知りました。

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