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おせっかいワーカー

「おせっかいワーカーになろう⑳」

 先日行われた子ども食堂福岡&九州サミットで、子ども食堂が次々に生まれていることが分かりました。その多くはマスコミ等で厳しい状況にある子どもの存在を知って、自分にも何かできるかもしれない、と始めた所が多いです。  

 反貧困ネットワークの湯浅誠さんは、子ども食堂は、ソフトインフラだと言っています。ハードインフラの道路や水道が社会に普通にあって、いつでも誰でも利用できるように、子ども食堂も、特別な人が始める特別なものではなく、どこにでも普通にあるものになればよいと思います。
家庭が色々あるように、子ども食堂も様々です。とにかく温かいご飯を食べさせたい、食育をしたい、無添加無農薬等よいものを食べさせたい、遊びやゲームで楽しい居場所にしたい、基礎学力をつけさせたい等など、始める人、地域の特徴、会場、曜日や時間によってバラエティー豊富です。思い立ったが吉日で、誰でも始めたらよいと思います。

 そしてできれば厳しい状況にある子どもや親を本当に受けとめる居場所になってほしいです。そのためには、親はどんな問題を抱えているのか、貧困家庭の子どもは何に困っているのか、どんな気持ちで生活しているのか、何が必要なのか、もっと知る必要があります。よく保育所や学童保育で「家庭に問題のある子はいない」とか「貧困の子はいない」と聞きますが、多くの場合、見えていないだけの場合が多いです。見ようとしなければ、小さなサインを見極める視点をもって想像力を働かせなければ、問題や貧困は、存在しないことになりかねません。

 また、コツコツ続けなければ、地域に広がりません。少しずつでも学校の先生や民生委員、ソーシャルワーカー、近所のお店の人とつながって「行ってみたら」と、子どもや親にすすめてもらえるようになりたいです。

 子ども食堂から地域の里(さと)にバージョンアップするには、やっぱり核になる人を増やさなければなりません。様々な人や団体とつながり、子どもや親の状況を理解し、受けとめ、地域で共に生きる知恵やスキルや覚悟をもった人・おせっかいワーカーが必要だと思います。そこで、訪問員養成講座をベースにして、子どもや親に実際に関わっている実践家を講師にお招きして「子ども家庭応援(おせっかい)ワーカー養成講座」を実施することにしました。

          【労協新聞2018「おせっかいワーカーになろう⑳」】

応援よろしくお願い致します。