脱法記者アッコ、駆ける! 第1話「崩れる黄金の城と積みあがるパンケーキの塔」
アッコは激怒した。
アッコは政治がわからぬ。
だからこうして深夜2時、与党第一党「みんなニコニコ平和党」の党本部オフィスの天井裏で、埃まみれで息をひそめ、換気口の真下のデスクで行われている密談の内容をムービーに記録しているのだ。
「まさか…漏れていたとは。」
ご自慢の45口径(なんと、真鍮色に輝く特注品だ)を磨きながら、ミカヅキは目の前で土下座し続ける側近その1をぎろり、と睨みつけた。
「は! ですがセンセイ 既に追っ手は差し向けており!」
突っ伏したまま、その1が答える。
「…誰だ。」
「私めのストックから選りすぐりのモノを3名…」
「違う。お前じゃない。」
ミカヅキは視線を天井(つまり、こっち)に向ける。ぎろり。
「居るな。そこ。下りて来い。今すぐだ。」
バレた! なんてこった! アッコは一瞬フリーズ。ワオ! なんでバレた?
「聞こえないのか。下りて来い。」
言い終わらないうちにミカヅキは天井に向けて、一発!!
【続く】
電子的ゲーム界隈で生きてます。文章は読むのも書くのも好き。久しぶりの創作は「読む講談」スタイルで、心躍る冒険譚をどうぞ。お楽しみいただければ幸いです。