ウギ1stミニアルバム「YUQ1」より「FREAK」感想
ウギ作詞作曲。
英語詞。
なんかこの曲を「ボサノヴァ」と言ってる記事を読んだんだ。確かにギターのリズムやコードだけ聴けばそれっぽいけど、ボサノヴァ好きの僕からすればあまりそんな感じはしない。全然ブラジルっぽくもジャズっぽくもないしね。
MAMAMOOの「White Wind」収録「Waggy」がボサノヴァと言うんならこれもそうかもという程度。
ま、そんなことは気にせず、曲そのものを味わいたい。
ちょっと聴きは、キャッチーなサビ始まりので繰り返しの多いシンプルかつおしゃれな曲に聴こえるが、よく聴くと意外と凝った作りになっている。
まず始まりのサビから耳に残るし、それが2回目からユニゾンコーラスになるところも肩を組んで合唱して盛り上がりやすい。
だが、何度も繰り返すうちにそこへいろんな声や歌がかぶさっていき、「Stop, hold up, wait a minute」のパートが終わってから、彼女は保証書付きの変わり者と歌っていたのが、私は保証書付きの変わり者となって、前半叫んでたのが実は自分の事だったと構造的に変化して、この歌そのものの意味が変貌してしまうというトリッキーな仕掛けをつくっている。
そのダイナミックな視点の変化には、「自分を変わり者として認めて、受け入れて楽しむまでになっていく」という曲の主題が反映し、シンプルな繰り返しが重層的に拡がっていく曲そのものの構造と有機的に繋がっていている。
と同時に歌詞の中に「ホンダ・シビック」「ドリュー・バリモア」などが出てきてリアルさをかもし出している。
歌い方もウギの引き出しの多さに感心させるばかりで、シャウト、ウィスパー、ファルセット、可愛い地声の「OK」「Woh」「that's mean」笑い声、シャララコーラスなどが豊富に出てくる。
僕がさすがと思うのは、歌っている途中で地声から裏声になる時にひっくり返した感じがせず自然に聴けるところだ。さり気ないが、思うほど簡単ではない。地声と裏声が同じ音量、同じ圧でなければならず、どうしても弱くなりがちな裏声を強く出すとヨーデルになってしまうか、カントリー唱法になってしまうのだ。
とにかくこのミニアルバムのタイトル曲としての最高の楽しいナンバーになった。
で、これがこの曲のMV。これまた最高である。
ちなみに途中で出てくる「シャイニング」の双子みたいな子たちは、2019年放送された、俳優イ・ソジン、芸人パク・ナレらが1泊2日で森の家で子供たちを預かり、楽しい夏を過ごさせるべく必死でお世話する「リトル・フォレスト」という番組に出てたハーフの双子、ブルックちゃんとグレイスちゃんのおよそ5年後。