むかし馴染み

むかし、毎日のように通っていた紅茶店があった。
雪の中にたたずむ、ちいさなお店。

時価のお茶を飲み、不思議なお話のかかれたノートに目を通す。
あの頃の時間が、空気が、好きだった唄が、そこにはまだ漂っているようだ。

南の島に来てからは、随分と足が遠のいてしまったけれど、そこへ通じる扉は、実はいつもそばにある。
それを開くかどうかは、その日の風が決めること。

懐かしい人に会うように、その扉を開こう。

おひさしぶり。
私は元気です。
この前、めずらしいお茶を友人にもらって……



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