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10/28天忠組義挙160年記念天忠組シンポジウムin大和第3段①

2023年10月28日(土)なら歴史芸術文化村で天忠組シンポジウムin奈良が開催されました。
こちらのイベントは9/30の第1弾、10/9の第2弾に引き続き、第3段として締めくくられました。

開会あいさつ
天忠組市町村連携協議会 会長 水本 実

天誅踊披露
踊り手 五條市職員有志
音頭  大和の郷土芸能実践研究家 小関 吉浩

基調講演
奈良女子大学教授 武藤 康弘「奥吉野の天誅踊」

パネルディスカッション
「天誅踊について」
コーディネーター 奈良県立大学客員教授 岡本 彰夫
パネラー 奈良女子大学教授 武藤 康弘
     大和の郷土芸能実践研究家 小関 吉浩

対談「天忠組への想い」
元東吉野村教育長 阪本 基義
奈良県立大学客員教授 岡本 彰夫

父、阪本基義は病気&怪我で数々のイベントを欠席させていただいておりましたが、今回病院と相談の上、久しぶりに出席しました。
お声掛けくださった皆様、素晴らしい舞台を準備してくださった皆様、お越しくださった皆様、本当にありがとうございます。

父は長い入院生活、自宅での療養生活で、1日の大半をベットで過ごしています。
今回の準備にあたり、パソコンの使い方のリハビリ、資料を探すリハビリを経て、直前には目の色が変わり、資料とパソコンと向き合い、どんどん準備を進めていました。
娘ながらに圧倒されました。

私は最近勉強を始めたばかりで、当日のお話も正確に聞き取れているのか自信がありませんが、イベントの様子をお伝えしたいと思います。

今回の大きなテーマは「天誅踊」です。
天誅踊は旧大塔村天辻、同阪本、十津川村小原に現在も伝承されています。
ですが、高齢化や過疎化などの影響で長年伝えられていたものが断絶されかかっています。
それは天誅踊に関わらず、日本の各地域の伝統文化継承全てに同じことが言えます。
お話を聞いていて、東吉野村の祭りにも同じことが言えると感じました。

岡本先生、小関先生のご尽力により、天辻地域で踊られている天誅踊が復元されました。
最初にその天誅踊が披露されました。

天誅踊披露

Instagram イベント時の天誅踊動画

武藤康弘先生講演

そして、奈良女子大教授 武藤先生より詳しいお話があり、パネルディスカッションでも天誅踊について議論がされました。

天誅組は奥吉野各地を進み東吉野村で終焉を迎えましたが、天誅組を大切にした地域には幸せが訪れ、そうでない地域には悪いことが起きたとされています。
天誅組の志士たちの霊を弔うために、盆踊りとして天誅踊が踊られてきました。

私は天誅組が来たとき、村人はどんな様子だったのか、地域の方にどういった影響を与えたのか気になっています。
踊りを作り伝えてきたということは、それだけ大きな影響があったのではと感じました。

武藤先生によると、天誅踊はそれより昔からある那智勝浦町浜の宮の櫂(かい)踊、田辺市本宮町平治川の長刀(なぎなた)踊に形が似ており、それが原型となって天誅組の唄(歌詞)が作られたのではとおっしゃっていました。
そういった様々な踊りは武藤先生が映像で記録され、奈良県無形文化遺産アーカイブで自由に見ることができます。(YouTubeチャンネルあり)

パネルディスカッションでは、天誅踊などの伝統文化をどう伝えて残していくかというお話がされました。

武藤先生は「子どもの頃から太鼓のリズムや唄を体にしみつけていくことが大切。学校教育に取り入れていく必要性がある」とおっしゃっていました。岡本先生は「西洋の音楽をよく聞くようになった今、日本の長くゆったりしたリズムを実際にしようと思うとなかなか難しい。その地域の者だけでなく、他の地域も関わって残していくことが大切」とおっしゃっていました。
小関先生は伝承に成功している地域の例をいくつか紹介してくださいました。
その地域の特色に合わせ、様々な方法で工夫することができるのではないかと希望を持ちました。
また、小関先生は今回天誅踊をするにあたり、魂を込めてやりたいという思いで、天誅組の史跡を訪問されたり、実際に天辻峠で踊りを披露するメンバーで踊りに行ったりされたそうです。

9/9に東吉野村で行われたイベントで、「天誅組のことを若い世代に伝えていくには?」という議論が中心になっていました。
その日をきっかけに私は様々なことを始めつつあります。
天誅組のことは父を中心とし、多くの方から聞くことができます。
踊りを復元された苦労をお聞きして、私はどうしていくのか?ということについても考えさせられました。

後半の父と岡本先生との対談は次の記事で紹介したいと思います。

今回のイベントの資料です。(画像データで分かりにくく申し訳ございません)
天誅踊は全て踊るのに約70分かかるそうです。
黄色の歌詞は今回の舞台で披露されたバージョンのものです。
隠語が使われているので、明治以前の幕府の目が光っている時代に作られたと考えられています。

武藤先生講演資料
武藤先生講演資料


天誅踊歌詞(披露された部分)
天誅踊歌詞(全体)


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