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月9ドラマで色覚異常が出てくるとは

思いもしなかった。君が心をくれたから。主人公の山田裕貴さん演じる太陽くんは色覚異常。赤の色が緑に見えるので、花火の鮮やかな色が分からないと花火師を諦めようとする。そして、信号の赤が緑に見えてしまい、赤信号で横断歩道を渡り車にはねられる。そのくらいだと結構重度の色覚障害と思われる。

ドラマで色覚異常の主人公が出たのを私は初めて見た。なぜこんなに気になるかというと、私の父と私と息子は軽度の色覚異常を持っている。色覚異常は劣性遺伝で男性に多い。信号のような、はっきりとした色の違いはわかるけれど、色覚検査の水玉の中にうっすら浮かぶ数字は読めない。

今でこそ学校で色覚の検査はしないらしいけれど、私が小さい頃はこの検査が必ずあって毎年嫌でたまらなかった。分からない。どんなに目を細めてもパチパチしても読めない。いまだに水玉が集まっている絵を見ると数字を探してしまう、これで悩む人がいなくなりますようにと願う。

小学生の頃に、専門医により精密検査に行って調べたところ、軽度の色覚異常で生活に支障はないが、「強いていうなら紅葉が正常な人ほど綺麗に思えないぐらいかなー」と医師に言われたのをよく覚えている。

特に治療方法もない。私は紅葉が一生鮮やかに見えないのかーとちょっと傷ついたけれどさほど気にしていなかった。

でも落胆した時もある。私が写真の仕事につきたいと就職先を探していた時、色覚異常の人はお断りとはっきり書いていた会社があった。悩んで写真学校の先生に相談してみると「それは写真の世界では、色がわかりにくいのは難しいですね……」と言われたのでもっとショックを受けた。でも私の体感では致命的ということでもなく、写真の仕事もできたし、色覚異常でも変わった感覚を生かしてデザイナーをしている人もいると知り、大丈夫だと思った。

医療従事者になる時も、色覚異常があっても大丈夫かと電話して確めた。
外国では色覚異常者でもわかるように工夫がされていて、色別と同時に文字で分別できるようにしていて職業に制限が特にないように聞いた。

息子が小さい頃にLINEのキャラクターの茶色い熊を、緑に塗った時は
「やっぱりかー」と思ったけれど、またその色の感覚を育てて人と違うところを
ヨシと思えるようになればと願うし、もし人と違ったことがある人と出会っても受け入れられるようになれば良いなと思う。

花火師で色は分かりにくくても、文字で書いて火薬の色を書いてもらったり、工夫次第で、色覚異常の人なりのセンスで仕事は続けられるのではないのかしら。そのようにドラマが進んでいくと嬉しいな。でも、もう一人の主人公、永野芽郁さん演じる雨さんが自分の「五感」を差し出す代わりに彼の命を救う、というファンタジーも入り混じるドラマ。五感を失う女の子の話は辛いけど、見守りたい。





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