2023年に観たアニメを振り返る
もう2024年ですが、2023年のアニメの振り返りを全然できてなかったのでこちらで振り返ります。
上のリンクで一応一通りのアニメ感想はまとめたのですが、全体を総括するようなものは別にまとめる必要があるだろうということで、個人的なテレビアニメ10選、アニメ映画3選(+おまけ)とともに、自分の中で2023年のアニメシーンをどう捉えているかをまとめました。
前もってお伝えしておくと、こちらはランキング付けではないため、並びは順不同です。いろんな観点から作品を評価しているので、評価軸もバラつきます。
2023年アニメ10選+1
お兄ちゃんはおしまい!
作画のクオリティがすさまじく、題材のニッチさを飛び越えて見ごたえのある作品でした。それでいて、最後にちゃんと問題提起のエピソードがあったのは悪くなかったです。ヴィンランド・サガ SEASON 2
続編ものということで評価が難しい作品ではありますが、1話1話にある静謐さと壮絶さがこれでもかと詰め込まれていて、作品の魅力は分かりやすいことだけではないと改めて感じられました。僕の心のヤバイやつ 第1期
普段は違う世界にいる人同士が、特定の場所で徐々に仲を深めていくというシチュエーションはままありますが、ここまで不器用なコミュニケーションはなく、それがドキドキ感を増幅させていたように思います。スキップとローファー
分け隔てなく優しい物語で、それを成立させているのがみつみちゃんの存在であることが間違いないと思えるくらい、誠実に作られた作品でした。また、志摩くんの存在を描くことも物語の魅力をより深めていると思います。【推しの子】
最初のエピソードをまとめて放送してくれたのは英断だと思いますし、要所要所の勝負どころをしっかりと表現しきったという意味で素晴らしい映像化だったと思います。お芝居も大事な作品ですが、映像とのバランスも良かったです。君は放課後インソムニア
作品自体が醸し出す空気感、描線などがアニメとしては独特なビジュアル、そして互いが互いに惹かれ合う過程の描き方など、全てが愛おしく感じるような、良いジュブナイル作品でした。機動戦士ガンダム 水星の魔女 第2クール
2023年を振り返る上ではさすがに無視できない作品でした。世界を描くというガンダムの作品の特性上、そこと並行してキャラクターのドラマを表現するのは難しいとは思うのですが、そこを上手くまとめあげたように思います。アンデッドガール・マーダーファルス
映像的なセンスと話の巧みさで終始楽しませてもらいました。中編エピソードで構成される作品のため取っつきづらさがあったのが難しいところでしたが、また続編エピソードが描かれたら嬉しいなと。呪術廻戦 第2期 懐玉・玉折/渋谷事変
懐玉・玉折と渋谷事変でそれぞれ違った面白さがありましたが、特に前半の懐玉・玉折は静と動のバランスが素晴らしく、人間の機微も含めてその美しさと脆さを感じさせる作りでした。オーバーテイク!
面白さ云々ではなくて、作り手として描きたい部分が明確で、だからこそそのメッセージ性が伝わってきました。レースそのものの魅力だけでなく、そこに関わる人間のドラマを描くそのアプローチは、アニメではなかなかない実写的なアプローチだったと思います。進撃の巨人 The Final Season 完結編
壮大な物語を最後まで描ききるというのは、それを見届けたい視聴者はもちろんのこと、制作側にかかるプレッシャーも決して小さいものではありません。それをここまでの密度、クオリティーで描いてくれたことに感謝したいです。
2023年アニメ映画3選
アイカツ! 10th STORY ~未来へのSTARWAY~
ファンムービーとして、ここまではっきりとしたメッセージがある作品だとは思っていませんでした。10年の歴史のあるアイカツ!というコンテンツの中で、それぞれのタイミングで触れてきた人に向けた、力強いエールでした。アリスとテレスのまぼろし工場
閉じ込められた世界観だからこその、より一層むき出しになっていく人間の感情を描いていくというのはさすがの岡田麿里作品だなと思いました。特に終盤のクライマックスに向かう一連のやり取りは、女の情念を描く作品の魅力を特に感じられる瞬間でした。青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない
前後関係のある単発のエピソードを映画としてどう評価するのか、というのはさまざまな意見がありますが、私個人としてはこの作品は親子の関係性を短い尺の中で大切に描いてくれたと感じていますし、これまでの積み重ねがあったからこそ、最後の抱擁が意味を持つのだと思います。
2023年のアニメを振り返って
2023年を一通り振り返ると、やはり異世界転生もののフォーマットが蔓延していて、しかもそれらの作品で質の高いものがなかなか出てくれないというジレンマがありました。アニメ化しやすい原作という点は否定しませんが、そこにカロリーを分散することの意味についてはちょっと考えざるを得ません。
一方、「山田くんとLv999の恋をする」のような表現のメリハリを利かして描く作品、「冰剣の魔術師が世界を統べる」のような作画クオリティが低くてもエンタメとして描く上でのツボをしっかりと押さえた作品といった、単純な力押しにはならない作品がたくさん見えた年でもありました。やはりアニメにおけるコンテ・演出の力は大きいのかなと思わせましたし、そこに各種セクションの方々が魅力をブーストしているという認識は自分の中でより強固になりました。
アニメ映画に関しては、以前から指摘されているような大作とそれ以外みたいな区分になってしまうのは、作家性のある方を増やす上では少々厳しいのかなと思いました(商業的な意味で)。2~3年スパンで新たな挑戦ができるよう、制作のバリエーションが生まれることを願います。
そんな中でも2023年もたくさんの素晴らしい作品を見れました。特にアニメ10選にあえて1つ足した「進撃の巨人」は、制作会社を変えつつも10年をかけて描いてきたからこその凄みを感じさせて、本当にこのアニメを観てきてよかったと思いました。2024年もそうした作品が1つでも増えれば良いなと。
最後に、これは単に自分がまとめたいという理由だけで2023年好きだったアニソン10選を置いておきます。アニソンも多様化を感じさせるここ数年ですが、それでもアニソンフォーマットを大事にされている方が多く、それが嬉しいですよね。まあそんなことは抜きにして、普通に好み並べているだけですが。
2023年アニソン10選
1.Dystopia/Sizuk(AYAME(from AliA))
「冰剣の魔術師が世界を統べる」OPテーマ
2.アイデン貞貞メルトダウン(えなこ feat.P丸様。)
「お兄ちゃんはおしまい!」OPテーマ
3.Paradox/Survive Said The Prophet
「ヴィンランド・サガ」SEASON 2 OPテーマ
4.斜陽/ヨルシカ
「僕の心のヤバイやつ」OPテーマ
5.あてもなく/Aimer
「王様ランキング 勇気の宝箱」EDテーマ
6.メロウ/須田景凪
「スキップとローファー」OPテーマ
7.刹那の誓い(feat.由崎司)/Neko Hacker(由崎司(CV:鬼頭明里))
「トニカクカワイイ(シーズン2 )」OPテーマ
8.エンドロール/Amber's
「彼女、お借りします」第3期 EDテーマ
9.点と線/伊藤美来
「星屑テレパス」OPテーマ
10.Graceful World/シャーロット・エヴァンズ(CV.早見沙織)
「婚約破棄された令嬢を拾った俺が、イケナイことを教え込む」EDテーマ
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