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コレが"まとめ"となるのかなぁ?〜北海道東神楽町の公営花屋問題

世にもおバカな「公営花屋」の民業圧迫問題。
たただでさえ民業を圧迫することとなる採算度外視の「公営花屋」を、50億円近くの整備費用をかけた複合施設に移転オープンさせるという計画。
問題は東神楽町の「花のまちづくり」であるが、町全体の「まちづくり」にも繋がる問題である。

とっても残念な複合施設整備事業?

この複合施設は、我が町の出身である万博リングで有名な某建築家の基本設計により進められる。
築30年の役場庁舎をぐるりと囲むように回廊が設けられ、バスセンター、診療所、文化ホール、カフェ、郵便局、図書館などの箱物がその回廊で繋がる。

フラワーガーデンなどの外構工事と公営花屋などの整備を残し箱物の共用が開始されると、この複合施設の問題も様々噴出してくる。

その一部をご紹介…

郵便局の複合施設内への移転

現在地より僅か100mそこそこの移転である。
建設が進むなかで、移転について郵便局との合意がなされていないことが町議会で町長より答弁されている。
また、移転後の跡地利用については計画すらもない。
更に、移転にかかわる費用や移転後の賃料などの問題も。
建物が完成した現在は、誰もこの問題に触れることなく、地域おこし協力隊によって展示スペースとして使用されている。

東神楽町議会だよりNo.119
令和5年9月第3回定例会
議員質問
東神楽町議会だよりNo.119
令和5年9月第3回定例会
町長答弁

コレは計画段階の話ではなく、既に建設が進んでいる段階である。

バスセンターの移転

現在地は、前述の郵便局の通りを挟んだお向かいさん。
コレも僅か100mそこそこの移転。
上記議会だよりにもあるが、両方ともに我が町の"一丁目一番地"とも言える市街地交差点にある。
こちらの跡地利用についてもまたまた無計画。
郵便局と同様に多額の公費を投入してまで移転する大きな理由が見当たらない。
更に笑い話、出来上がった複合施設内のバスセンターは屋根が低過ぎる問題も発生。
現行の路線バスは何とかギリギリ、既存の除雪車はアウト。
雪が積もると路面が10〜20cmも上がる。
さて、どうするのか?

新しく整備された複合施設バスセンター

カフェ

何と言おうがそのメインとなるのは役場庁舎であるこの複合施設。
「カフェは必要なのか?」というそもそもの問題もさておき、箱物建設は進んだ。
運営は民間事業者を公募とするとの町長の議会答弁もあったが、未だ音沙汰なし。
実際に建物が完成してみると、厨房設備すら無い。
こちらも地域おこし協力隊による無料のコーヒーサービスの場となっている。
厨房設備がなく保健所の許可もないのであるから、あくまでも無料の「オ・モ・テ・ナ・シ」
カフェっちゃぁカフェ。

町広報誌7月号

リング状の回廊の内側

築約30年超の役場庁舎が残されている。
中庭もある。
回廊はしっかりと繋がっている。
車両や作業機械等が乗り入れできない。
と言うことは?
万博同様の空飛ぶナントカを使うのだろうか?
まさしく邪魔リング?

リング状の回廊を更に囲む樹木の植栽

大きくならない、枝の張らない樹木を選定したとのことだが…
50年先を見据えたというその植栽間隔ははたしてどうなのか?
維持管理の持続性に蜘蛛の巣やカラスの巣などなど、ドシロウトである一般町民に心配される。

フラワーガーデンと公営花屋

某有名ガーデナーの設計監修によりフラワーガーデンを造成。
「誰でもふらっと立ち寄れる憩いの場」的な心地よい言葉を使いつつ、当初より「公営花屋」とフラワーガーデンを連携すると公言。
既存の公共花壇や植栽の維持管理費用の捻出すら難しいとしてきたにもかかわらず、更に高額な費用が必要となる維持管理は持続できるのか?
入場無料であるからとの理由のもと、その見込み客数や経済的効果の予測や試算もされず。
その費用対効果は「公営花屋」の売上げであるとの町長の議会答弁。
事実上、民業には真似のできないとっても贅沢な大規模「公営花屋」の完成である。
しかも、事業計画もなく採算性も考慮されずに。

議会だよりNo.117
(令和5年3月第1回定例会)


風の噂に聞こえてくる細かいコトを含めたら…
とても書ききれるものではございません。

有名建築家設計の施設を
有名ガーデナー監修のフラワーガーデンがとり囲む。
郵便局やバスセンター、文化ホールに図書館、診療所や薬局、カフェにお花屋さん、周りには樹木が植栽され…
とにかくカッコイイのだ!
とにかくカッコイイのだ!
とにかくカッコイイのだ!

目的があやふやでも、訳が分からなくとも、使い物にならなくとも構やしない。

コレを、またまた税金を使ってわざわざ視察にやって来る日本各地のお偉いさんが結構いるってんだからねぇ。

まるでコントである。
しかし、投入した金額を考えると笑えない。

「公営花屋」は必要なのか?

「公営花屋」の暴走

どのような経緯があったのかは明確に分からないが「公営花屋」が暴走を始める。
前述の複合施設整備計画に盛り込まれたことが原因であろう。
この計画以前には、民営化に向けての議論がなされ、少なからず動きだしていたハズである。
しかし、民業と競合する事実をあえて無視し直営に固執しだすのである。
行政お得意の「やってる感」満載の可愛い「町おこし」の範疇であり、ある程度の節操を持ち合わせていればまだ良かったのだが…
前述の通り、大規模なフラワーガーデンと連携するなどとの計画をぶち上げてしまった。

令和4年、危機感を持った当時の建設水道課長らの要望により建設水道課に「花のまちづくり推進室」が設けられた。
そのガバナンスの徹底がこの推進室設置要望の目的であった。
しかし、いざ設置されるとあれれのれ、手の届かないところへ…
全体の町づくりを行う「まちづくり推進課」とは離れている。
もちろん、民間事業者の参加などはない。
完全に裏目にでてしまった。

その規模や存在、経緯、好き嫌いはどうであれ、町には同様の民業があるのは事実。

多額の税金を投入する「公営花屋」と「民間花屋」の間に公正な競争など確保されるわけもなく、当然ながら民業圧迫となることは分かっているはずである。

花は道楽

こう言っちゃ何だが、花は単なる道楽である。
限りなく衣食住に近づいたなどと言われはしたが、パチンコと同様の道楽である。
あーしろこーしろと他人にとやかく言われる筋合いのものではない。
それぞれが好きなように楽しければ良いのである。
根本的に道楽なのである。
しかし、それで稼ぐことは他の仕事と同様に大変なコトである。
親方日の丸、金も責任も他人まかせ、さぞや楽しいことだろう。
五月蝿い民業は邪魔以外の何ものでもない。

花は無くたって生活できるのである。
無くたって死にやしないのである。

行政にしかできない、行政としてすべき住民の生活に必要なインフラ、教育、医療、福祉などとは全く別物なのである。
多額の税金を使い採算度外視でそのリソースを割き、わざわざ行政自らが行わなければならない明確な理由などはない。
事実、この様なバカげた施策は全国各地で腐るほど繰り広げられている「花のまちづくり」においても他に例はないだろう。

悪意しか感じないのだ

町長は、町の事業者と協議しながら事業を進めるとしていたが、全くその気配すらない。
最初からそんなコトをする気もないのだろう。
行き当たりばったりで無責任でテキトーな発言である。
もっと言ってしまうと、悪意満々である。
「一緒に花のまちを盛り上げましょう!」などとの表向きの言葉すら発することもない。

現実的に、この町では民間事業を行うことに何のメリットもなく、その事業継続すらも脅かされるのである。
結果、民間事業者は町の外への移転を含め撤退するしか選択肢はないだろう。
また、今後の新規参入もないだろう。
悲しいかな、コレが我が町の「花のまちづくり」である。

「お金持ちな町」

東神楽は金があるからねぇ

旭川空港があり、旭川市内からも近い。
宅地造成により人口は倍増した。
税収もガッポガッポでウハウハ!
そんな甘い話ではない。

令和6年度予算と人口


それこそ無駄な箱物建設などによる一時的な予算額の増加もあり得るので一概には言えないが…
周辺8町と比較すると、人口は一番多いが銭の方はある意味ダントツ最下位。

残念なんだなぁ

しかし、行政サービスに関しては満足度が高い。
実際、私自身もこの問題以外には特に大きな不満はない。
とりあえず現在は…
ちょっと車で旭川へ行けば、一揃え用は足りるのである。

五月蝿いコトをしつこく発信するのは私くらい…
決して裕福な町ではないにもかかわらず、さほど不満もない。
かなり優秀な町長であるのは事実である。

だが、何か違和感が…

事の進め方がスマートではないのである。
幼稚過ぎるのである。
良く言えば、ちょっとお茶目さん。

ある意味、とっても狂っている。
このままで持続可能なのだろうか?
残念である。

さあ、どうなる?

いずれにせよ、8月には「公営花屋」が完成するらしい。
何せ、まともな事業計画も持たない行き当たりばったりの「公営花屋」である。
その原資は湧いて出る税金、民業は対応出来ないだろう。
その動向次第では、当然ながら厳しい判断をしなければならないのである。

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