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夜の一瞬

風呂上がり、暑さを冷ますため、冷たいコーヒーを持ってベランダに出る。
3階から見下ろす車道には、人も車もない静かな世界が広がる。
そして、規則正しく街灯が整列し、静かだが仄かに明るい世界をも作っている。
見上げると、満月に近い白い月が、周りの薄雲に負けじと、それでもややぼんやりと、空を街灯のように仄かに明るく照らしている。
何も考えず、緩やかな涼風にあたりながら、家々を焦点を合わさず眺める。
静かな世界に、遠くに聞こえるサイレンの音が足早に右から左へ駆け抜けていき、すぐにまた静寂が訪れる。
そんな、わずか3分、昼間の喧騒から解放され、心落ち着く時間が私は好きだ。


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