逸材

午後、関連する企業から人材を受け入れるため、採用面接をした。
私は人事部門ではなく、現場部門としての立場だったので、まったく堅苦しくなく、むしろラフに普通の雑談ぽく進めた。
でないと、さすがに半日やってるとこっちが疲れてしまう。
暑いですねぇ、夜眠れます？
とか言って、半分ぐらいは雑談。

本人とその上司を対象に面接を行った。
その中の一組。

後半、色んなことを聞き、最後に上司の方に伺った。
｢鈴木さんから見た、佐藤さんのアピールポイントってどんなですか？｣
｢はい・・・｣
上司の鈴木さんは少し考えた。


｢彼は、私共のプロジェクトでも六本の指に入る逸材で・・・｣


あれ？ 六本？
普通、五本とか三本じゃなかったっけ？

おかしいと思いつつ、まぁ、本人も頑張るみたいだし、「◯」を付けた。
あとは人事の人決めてくださいな。