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「恋は、遠い日の花火ではない」わけがない

手持ち花火を買ってきて、束になったままの花火に火を付け、一気に噴火させ、グルグル回しながら走った。
線香花火も束のまま、火を付けると巨大な火の玉ができる。
巨大が極限に達した時、消火用の水を入れたバケツに火の玉を落とす。
爆竹が鳴るような破裂音が響き、バケツの中で弾け飛ぶ。
本来、地面に置くべき連発花火を手に持ち、どれだけ遠くに飛ばせるか、みんな並んでぶっ放した。
昼間にパラシュート花火を大量に打ち上げ、電線に引っかかったり、車道に落下するのを事故を顧みずキャッチしに行って、これらはさすがに怒られた。

まだ男子小中学生だった頃の花火の遊び方。
やっちゃいけないとわかりつつ、記憶に残るほど楽しかった。


適当に飲食物を調達して、空いてる土手の草っ原に陣取って、隣の知らないグループと一緒になって、飲めや叫べやの野郎だけの花火見物。
歩いて帰る途中のカラオケボックスで夜通し歌って帰った。

まだ、20代だった頃の花火大会見物。
色気がないとわかりつつ、これはこれで記憶に残るほど楽しかった。


マンションの一室で、これまた適当に飲食物を持ち寄り、テレビ中継された花火大会を最初のうちだけ見るものの、あとはまったり、あまり会話もなく、ただただ飲むだけの花火見物と称した、おじさんの集まり。

近年の花火大会見物。
もはや、恋も愛も、下手すると髪もない(私は普通にある)、けど、新入社員だった時の同期の集まり、これはこれで楽しいものだ。


今日は、隅田川花火大会。
恋を楽しんでいる人も多かろう。
よき夏を過ごせることを祈りながら、恋に縁遠いおじさん達はもう少し飲み続けるとする。


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