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6.審査は第三者機関が行う

お疲れ様です。交通事故処理ナビゲーター、東浦です。

ようやく身の回りが落ち着いてきましたので続きです。この間、子供が生まれたり義理母がしばらく家に泊まっていたりとあれこれとありました。一般的にいうところの、忙しかった、というやつですね。

さて、自賠責保険の保険金給付は誰が判断するのか、という話です。今回記事の表題の通りなのですが、自賠責保険はそれぞれの保険会社ではなく、損害保険料率算出機構の「自賠責保険調査事務所」という独立した機関が審査を行います。自賠責保険は強制保険かつ、保険会社の垣根を超えた大きな「自賠責保険」という塊になっています。損保ジャパンで入ろうがあいおいで入ろうが、自賠責保険は自賠責保険です。

保険会社に自賠責保険金請求が入ると、保険会社の自賠責保険担当部署はその書類を調査事務所に回します。東京だと、首都圏本部+第一から第三までの自賠責保険調査事務所ですね。ここでその請求が妥当であるか、適法であるかなどを審査します。事故の内容に不審な点がある場合などは現地調査や双方の当事者への聞き取りなど、相当に細かな点まで調査を行います。保険会社による払いしぶりなどは絶対に起きない制度になっていますから、その点は安心できますね。

一般的な自賠責保険請求であれば、審査もそれほど問題になりません。診断書や診療報酬明細書におかしな点がないかどうか、請求者に保険を受給できる資格が正しくあるのかどうかなどの形式面の審査ですから、正しい方法で書類を用意し請求すれば、きちんと保険の規定通りに給付がされます。問題が起きるのは、例えば整形外科と接骨院で請求部位に差異がある場合や、接骨院での多部位、長期間による逓減がなされていない場合、通院の経路が合理的ではない場合(理由を添付することで回避できることもあります)、請求している事故の前に終了していない前事故がある場合などが多いでしょうか。いずれも細かな話ですから今回は触れませんが、一見して「ん...?」と思うような内容の場合はしっかり審査で弾かれます、ということです。

調査事務所の審査で弾かれた場合によく保険会社に文句を言う人がいますが、この仕組み上、保険会社はどうすることもできません。自賠責保険が認定しない損害は原則として認定できないのです。任意保険の一括打ち切りや損害の否認とは、ここはかなり意味合いが異なりますので注意が必要です。自賠責保険に異議申し立てを行うこともできますが新たな損害の証拠など判断を覆すような何かがない限りにおいてはほとんどの場合は通りません。後遺障害認定で弁護士介入での異議申し立てが通るケースも中にはありますが、この場合は医師からの意見書取付など、ノウハウを持っている弁護士が丁寧に請求をしている結果であるため、単純に弁護士が異議申し立てをすればなんでも通る、と言うようなものではありません。弁護士特約の弁護士では、なかなか、難しいでしょう。

今回は自賠責保険調査事務所についてでした!

交通事故の困りこと、お気軽にお寄せくださいね。お力に慣れることもあるかと思います。お疲れ様でした。

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