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NTTの再エネ投資の本気度 GPIをNTT・JERAが巨額買収

 NTTはJERAとグリーンパワーインベストメント(GPI)を共同買収すると発表しました。この巨額投資により、NTTは優れた電力源を獲得し、新たな開発を加速させる予定です。再生エネルギーの適地を巡る競争が激化し、電力源の集約が進むことで発電コストが低下すると期待されています。

 GPIは太陽光と陸上風力を手がけており、発電能力は33万キロワットに達します。特に陸上風力は国内最大規模であり、石狩湾で進められている洋上風力も商業運用が予定されています。GPIは、日本の再生エネルギー業界において、大手電力会社や企業と肩を並べる存在であり、独立系の企業としては最大の規模を誇っています。

 NTTの投資額は2000億円以上で、全体の8割を占めます。これは東京電力ホールディングス(HD)と中部電力が出資するJERAを大幅に上回るものです。このエネルギー企業の買収により、通信会社であるNTTが再生エネルギーの主導権を握ることが示されています。

また、日本の送電網は従来、大手電力会社が独占していましたが、再生エネルギーの普及により空き容量が不足しています。NTTは約7300カ所の電話局などを活用し、将来的には自社の送電網で電力を供給することを目指しています。NTTは送電ロスが少ない直流給電の技術を持っており、再生エネルギーの電力を効率的に供給することができます。

 大規模な電力源と送電ロスの少ない送電網を組み合わせることで、NTTは脱炭素時代において競争力の高い価格を実現することができます。NTTは5年間の中期経営計画で再生エネルギー関連に約1兆円を投資する計画を掲げており、主要なプレーヤーとなることで再生エネルギーを主導する。

 今後の電力業界に、NTTは変革をもたらす事はそう遠くない。

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