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生産性三原則について

健全な集団的労使関係を社会に広げていくことは、一人ひとりの働く者の権利を守り、雇用の安定と生活の維持・向上をはかるために重要である。

連合がめざす健全な集団的労使関係とは「相互信頼を基礎とした、緊張感ある対等な集団的労使関係」であり、そのベースに生産性三原則がある。

健全な労使関係のベースに生産性三原則があることは、戦後の歴史の節目ごとに経済界・労働界・学識者の三者が確認しあってきたことである。

<生産性三原則とは>
①雇用の維持拡大、②労使の協力と協議、③成果の公正な分配
① 生産性の向上は、究極において雇用を増大するものであるが、過渡的な過剰人員に対しては、国民経済的観点に立って、能う限り配置転換その他により、失業を防止するよう官民協力して適切な措置を講ずるものとする。
② 生産性向上のための具体的な方式については、各企業の実情に即し、労使が協力してこれを研究し、協議するものとする。
③ 生産性向上の諸成果は、経営者、労働者および消費者に、国民経済の実情に応じて公正に分配されるものとする。

今話題になっている「成長と分配の好循環」は、この原則にも深く関係している。

生産性の向上がステークホルダーに公正に分配され、マクロで良質な雇用をつくり国民生活の向上に結びついているのか、という点が重要である。それには「神の見えざる手」による市場原理のみでは不十分であり、政府の役割発揮と生産性三原則にもとづく労使の取り組みによるところが大きい。加えて、社会的なセーフティネットの強化も必須である。他方、企業がリスクとコストを個人と政府に押し付け、自らの利益の最大化を追求するばかりでは、「成長と分配の好循環」は実現しない。分配構造の転換が必要である。

経済界には、個別企業の支払い能力のみを強調することなく、より良い社会をつくるために企業の社会的責任を果たすよう、業界や会員企業に促していくことを求めたいとするのが連合の考えである。

われわれが直面している課題は、企業内の取り組みだけで解決できるわけではない。グローバル、ナショナル、地域、産業など、あらゆるレベルでの対話や協議が重要である。

生産性三原則について、改めて考えさせられた。

皆さんはどう考えますか?


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