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右と左を知るから「真ん中」がわかる

「みなさん、"真ん中"ってどう定義しますか?」
忘れもしない大学1年生の頃の教職の授業。教授からの問いに答えることができなかった。

真ん中。Google先生によると…

物と物、点と点、思想・政治などの間。 また、その中央。 真ん中(まんなか)、真中ともいう。

Weblio辞書

なるほど。数学的にいえば点と点を結び、線を引いて初めて真ん中がわかるということになる。しかし、なぜ教職の授業でそんな問いが出たのだろうか。

教授は続けてこんなことを言っていた。
「政治の右翼と左翼ってありますよね?みなさんは日本の政党や世界(アメリカ)の政党がどういう政治信条かわかりますか?右翼的な考えと左翼的な考え、ちゃんと理解して選挙に行っていますか?」

社会科の教員を目指していた僕にとってそんなの当たり前にわかってるだろうと思っていたが、ワークを進めていくと何もわかっていなかった自分に絶望したことを覚えている。

結局、教授が伝えたかったことは
【右も左もきちんと理解して、初めて真ん中がわかる】
ということだった。

確かに辞書にもそう書いてあるし、数学的にもおっしゃる通りだ。当時は、何も理解できなかった僕も最近、右と左を理解しないと何もわからないことに直面し、教授が伝えたかった本当の意味が理解できた。

二項対立的な議論を理解することで「真ん中(普通)」がわかる

真ん中を理解するためには、その局面に応じた二項対立的な議論を抽象化して捉え、双方をしっかりと理解することが必要である。

私が直近で思考した二項対立的な議論と自分自身の考えを綴る。

①「Join company」or「Make company」

「企業に入る」か「起業するか」の議論はしばし行われている。僕のコミュニティにはその両方の人が存在する。

大学時代は比較的、make company的な思考のコミュニティに属することが多かったが、新卒でjoin companyすると同僚は同じくjoin companyの人たち。

具体的な話は省くが、その両者の考え方、物事の捉え方の違いには本当に面白い。確かに「起業至上主義」になりすぎることは良くないが、自分で何かを起こして夢に向かって突っ走っていくこともさぞ、魅力的である。

しかしながら、join companyの人たちもmake companyの人たちも結果として、社会を良くしたい!とか自分のやりたいことをやりたい!と思ってその選択をしているわけで、結局はどちらも否定できないことになる。

真ん中を知るということは、抽象化した目的を知ることなのかもしれない。

②「地方に住む」or「都市に住む」

これもしばしば二項対立的に議論されることである。僕は本当にどちらでも良いというかどちらも魅力的すぎる。

今は、大都市東京も都心のど真ん中に住んでいるが、何不自由ない生活を送れている。強いていえば近くに自然がないこと、生活費が高いことだけがネックである。(新卒1年目辛いよ….)

けれど、学生時代に訪れた日本の魅力的すぎる地方都市で生活したい欲もある。それぞれの生活圏で大変なことがあることは承知だがどちらも魅力的に映る。

その点、観光業界では「ノマド」と呼ばれる遊牧民的に各地を移動する生活スタイルも出てきている。今、僕が知る限りでノマドの方達は、地方に住むか都市に住むかの「真ん中」で生きている気がする。

「普通に生きる」ことは単純だけど難しい

真ん中、普通…。
右も左も理解しないと真ん中や普通を感じることはできない。

「あんたね、普通が一番だよ。普通が。簡単っていうけど、一番難しいんだから。覚えておきなさい。」

いつだがの夕食の時、いかにも仏の言葉かのように言われた母の一言が、今になってよくわかる。

結局はどっちもいいよね!と心を軽くして、右も左も理解し、真ん中に立つことを意識すれば、今日も明日も楽しく生きれると思った真夏の昼。

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