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【ARI】MLB初心者なら🐍を買え!②【現状分析&補強状況(投手)】

 こんにちは。ふりです。今回は前回の内容を受けて、D-backsが抱える不安材料と補強状況を確認していこうと思います。

前提の確認

fWARから見る現状

何度見てもリリーフがエグい

 前回お見せした2022年シーズンにおけるD-backsのポジション別fWARです。これは見る限り、弱点は捕手、二遊間、指名打者と投手(特に救援)と言えそうです。では、チームの認識はどうだったのでしょうか。

補強に対するチームの認識

 D-backsフロントが直接語ったものではありませんが、MLB公式の番記者Steve Gilbert氏による記事がありますので、これらを参考にしましょう。それぞれの記事の内容を雑に要約すると……

  • 補強最優先はブルペン、ブルペン、とにかくブルペン

  • 右打者がほしい

  • Xander Bogaerts(当時FA)を狙ってる

  • Kellyに代わる捕手

  • できたら先発投手もほしい

  • 左の外野手を放出してのトレードはあり

と言った感じになるでしょうか。概ね一致しているように見えますが、「右打者」という補強ポイントはfWARからだけでは確認できません。

ちょっとだけ補足

 そこで、D-backsの左右別打撃成績を確認しておきましょう。D-backsの打線は右投手に対してOPS.703だったのに対し、左投手にはOPS.655。かなり左投手を苦手にしている傾向にありました。また打席数上位9人を並べてみましょう。カッコ内は(打席/守備位置)を示します。
Walker (R/1B)
Varsho(L/OF)
Marte(S/2B&OF)
Rojas(L/INF)
Perdomo(S/INF)
Thomas(L/OF)
McCarthy(L/OF)
Kelly(R/C)
Smith(L/1B&OF)
と左打者が5人。2023年には更に左打ちのCarrollが加わるのは確実ですし、AAAで結果を残している外野手のDominic FletcherとDominic Canzone(二人とも同じファーストネームです)も左打ち。とにかく「左打者」の「外野手」が異常に多い編成となっています。是正が必要と考えるのはもっともな話です。

再度整理

 では、チームの認識とfWARの結果などを踏まえ、改めて補強ポイントを整理しましょう。

  • 投手(特に救援投手)

  • 右打者(特に外野/DHができる人)

  • 二遊間(特に遊撃?)

  • 捕手

 チーム内にUTが多く、ポジション別では話の筋がわかりにくくなりますので、投手と野手でそれぞれ一括りにして整理していきましょう。長くなりそうですので今回は投手のみを見ていきます。

弱点の現状とオフシーズンの動き(救援投手)

シーズン終了時点

実はこれでも2021年よりはマシらしい。

 2022年のD-backs救援陣がいかに酷かったか?もちろんWARを見てしまえば一発(だと僕は強く信じているの)ですが、主にクローザーを務めたMark MelanconとIan Kennedyの2人で17敗していると言えば、より「しんどさ」が伝わるのではないでしょうか。いくら救援投手の負けは選手の能力と関係ないとわかっていても、期待して送り出したベテランリリーバーがしっかりランナーを溜めて爆発するのを繰り返し見せられると心に来るもの。何度タイブレークを死んだ目で眺めたことかわかりません。

 好材料としては昨季に続いてJoe Mantiplyが結果を残し、オールスターまで上り詰めたこと、新戦力としてKyle Nelsonが加わりそうなこと、Kevin Ginkelが復活しつつあること、今季も契約が残るMelanconがシーズン中盤以降は比較的安定していたこと、ぐらいでしょうか。とにかくこのままだと来年も相当まずいと言えます。

晴れ姿のMantiplyさん

補強状況

 よほどの危機感があったのか、D-backsフロントはシーズン終了後すぐに救援投手の確保に動きました。以下の表は獲得した投手をまとめたものです。

タイトル行は白のほうが見やすい説に気づいた。

 11月8日にマーリンズからDFAされていたCole Sulserを獲得すると11月16日にはガーディアンズからCarlos VargasをRoss Carverとのトレードで獲得。さらに12月22日にはそれぞれヤンキースとヤクルト(NPB)からFAになっていたMiguel CastroScott Mcgoughとの契約を発表しました。詳しい意図は長くなるので省きますが、CastroとMcgoughは勝ち継投候補、Sulserはミドルリリーバー、Vargasは救援陣のデプスを増す狙いがあったようです。

 なお、Vargasを獲得した際の記事にはフロントは速球派リリーバーを狙って獲得しているという記述もありました。既存の救援陣はMelancon、K.Nelson、Mantiplyと軟投派ばかりでしたのでこちらも大変納得できる動きです。この点に着目するとCastroとVargasはどちらも100mph近くを記録する投手ですので、まさに補強ポイントに合致していたと言えるでしょう。

 また、McgoughについてはNPBでのクローザーとしての経験を評価しているとHazenGMがインタビューで語っています。D-backsは以前平野佳寿(当時オリックス)やMerrill Kelly(当時KIA)といったアジアで活躍した投手を獲得し、彼らはチームに大きな貢献を残しました。過去の成功体験もMcgoughの獲得につながったようです。

今後の動き

12月31日現在、報道を見る限りフロントは今後も投手(特に救援陣)の補強を進めるようです。その新戦力候補として名前が上がっている選手に、藤浪晋太郎(阪神)がいます。12月10日前後の報道では藤浪の移籍先としてD-backsが最有力視されていました。

ただ、その後を見る限り、藤浪獲得の線はかなり細くなりました。オッズは高く見積もっても2022有馬記念のディープボンドぐらいじゃないかと。

 なぜか?産経新聞の植村徹也記者が代理人のScott Boras氏は藤浪の契約ラインを2年$14M前後に設定したと報じたからです。もちろん、この世で前日オッズの次にあてにならないとされるBorasの発言ですからだいぶ盛ってる金額かもしれません。が、仮にこのラインで契約が決まるのであればD-backsが手を出せるような金額ではないのは確かです。間違いなく予算オーバーしますからね、そんなん。1年$2Mとか言ってたのはどこいったねん。

※なお、余談ですがNPB選手のMLB移籍、MLB選手のNPB移籍については日本のスポーツ紙はかなりあてになると思っています。実際筒香や鈴木誠也の移籍先は日本のメディアが先に報じましたし。アレ絶対直接電話して進捗きいてるだろしたがって産経の報道も今回についてはかなり信憑性のある情報として個人的に判断しています。競馬の東スポはガチみたいなもんです

 というわけで、チームとしてはほかのFAとなっている投手獲得を狙うと見ます。あまりFAを精査はしていませんが、格安で取れるベテランかつクローザー経験者で速球派となると、Hunter StricklandJeurys FamiliaHansel Roblesちょっと背伸びしてCorey Knebelあたりを狙うんじゃないかなと予想します。いずれにせよ少なくともあと1人、場合によっては2人FAを加えた状態でシーズンに入ると見るのが自然ではないでしょうか。

まとめ

  • 情報を総合すると、補強ポイントは救援投手、右の野手(二遊間/外野)、捕手

  • 右打者って何?→左の外野手が多すぎるねん

  • 救援陣の補強は継続中。4人取ったけどあと1,2人は取るかも……?

 最後までお付き合いいただきありがとうございました。次回は野手補強について触れる予定です。全世界のD-backsファンを震撼させたミラクルトレードについて、できるだけ丁寧に掘り下げたいと思います。ぜひ2023年はD-backsの複勝を山ほど買って、複勝でマンションを建てましょう(めっちゃ応援してください)。よろしくお願いします。

データ参考

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