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【ARI】Andrew Chafinを獲得【復活のヒゲ】

一昨日のクイーンステークスでハナ差で馬連が消え、昨日の共同通信杯ではクビ+ハナ差で馬単が消えたので今月初投稿です。

 リリーフがヤバいと有名な我らがD-backsですが、遂に今季最大の救援補強をキメました。タイガースからFAになっていたAndrew Chafin(アンドリュー・チェイフィン)を獲得したことをThe AthleticのKen Rosenthal記者が報じています。

 契約内容は2023年度が550万ドル(+インセンティブ100万ドル)、2024年はクラブオプションで725万ドルとのこと。Chafinが近年残した成績を考慮すればある程度妥当と見ていいのではないでしょうか。
では、ChafinのこれまでのキャリアとD-backsで期待される活躍について簡単に見ていきましょう。


Andrew Chafinってどんな投手?

キャリアについて

Chafinについて何か知ってることある…?

A.ヒゲ

MLB公式より

Chafinと言えば、ヒゲです(2回目)

ヒゲなのです(3回目)

 Chafinといえばとにかく立派にたくわえた口ひげ(英:mustache)です。まるで70年代のロックスターのようだと言われたり、だいぶ昔の野球選手カードにありそうだとコメントされたりする彼のトレードマークは現地でも有名なようで、ヒゲを出汁にした記事がいくつも書かれたり

https://ontapsportsnet.com/cubs/andrew-chafin-more-than-a-mustache

ヒゲを剃ったら(彼女に言われて剃ったらしい)本当に誰かわからなくなったりすることで有名です。

There's a reason Andrew Chafin shaved off his awesome mustache.

Posted by Bally Sports Arizona on Friday, May 13, 2016

 そんなChafinの愛称は"Sheriff"(=保安官)。そう呼ばれる理由は「Sheriff」で画像検索するとわかることでしょう。たとえば:

さて、とにかく容貌が注目されがちなChafinですが、見かけだけではないことはそのキャリアが証明しています。

 ケント州立大学在籍時の2011年、この年のドラフトでD-backsから1巡目(全体43位)指名を受けたところから彼のプロキャリアは始まります。指名前年の2010年にトミー・ジョン手術を受けていたため1年目はわずか1登板に終わりましたが、完全復活した2年目からは先発投手として確かな実力を見せ、2014年にはメジャーデビューを果たし、先発として3試合に登板しました。ただ、翌2015年は救援投手に転向。マイナーではほとんどなかった救援起用でしたが、Chafinはいきなり66試合、75イニングを消化し、fWAR0.8を記録するなど見事に適応して見せました。こうしてチームになくてはならない戦力へ成長したChafin。2016年は32試合に終わったものの2017年からは3年連続で70試合以上に登板するなど、D-backsのコンテンドを支えていきます。

 そんなChafinでしたが、あの忌まわしき2020年(詳しくはこちら)には不調に苦しみました。11試合に登板したものの、防御率は8.10、fWARは0.0という厳しい投球内容ではありましたが、保有年数を考慮したフロントはChafinの放出を決断。Ronny SimonとのトレードでChafinはカブスへ移籍します。

(余談ですが、Simonは2021年にA/A+で97試合に出場しOPS.783と好成績を記録。オフにJordan Luplowとのトレードでレイズに移籍後ここでも好成績を残し、2023年はスプリングトレーニングに招待選手として参加しています。少なくともトレードチップとしてのバリューは発揮しました。)

 カブス移籍後、この年はパッとしなかったChafinですが、翌2021年には復活を果たします。43試合/39.1イニングを消化して防御率2.06、fWAR0.9を記録する好投を見せると、7月のトレードデッドラインでプレーオフ進出を狙うアスレチックスに移籍。ここでも28試合/29.1イニングで防御率1.53/fWAR0.5を記録する活躍を見せました。この2021年オフにFAとなったChafinはタイガースと2年契約を結び、ここでも64試合を消化する上々の内容。ただ、タイガースがふたたび再建に舵を切りそうな状況を受け、2023年のオプションを破棄。今オフはFAになっていました。


Chafinの強み

 さて、ここまでリリーバーとしてMLBの第一線を歩んできたChafinですが、キャリアを通じて速球(フォーシーム/ツーシーム)の平均球速は93.5mph(149km/h)前後。MLBの救援投手としては遅い部類に入ります。また、回転数や変化量も目を見張るほど優れているわけではありません。

 それでも彼が生き残ってこれた理由の一つに、優秀なスライダーの存在があります。

 決して速いわけでも極めて大きな変化をするわけではないのですが、その奪空振り能力は素晴らしく、昨季のWhiff%(空振り/スイング)は驚異の60.6%。50イニング以上投げた投手の中ではLiam Hendricks(ホワイトソックス)に次ぐ二番目の数字でした。被打率も.085と1割を切っているほか、wOBA/xwOBAといった打球管理にかかわる指標でも優秀な結果を残しており、球種面では最大の武器となっています。

 また、カブス時代にはDavid Ross監督からその闘争心の強さを高く評価されており、メンタリティの面でも強みを持っています。さらに、過去6年間で短縮シーズンの2020年を除いて60試合以上の登板を記録しているタフさも救援投手として大きな武器と言えるでしょう。

気になる点

 一方で、これまで476試合を消化し、今年6月には33歳を迎えるChafinの勤続疲労は気がかりな点です。実際、2021年の後半戦からChafinの速球は球速が低下し続けており、それまでは93.5mph前後を記録していた平均球速は2022年、91.8mphまで低下してしまいました。このまま低下するようなことがあればパフォーマンスが低下してしまうことも十分に考えられます。

 もっとも球速を抑えてコントロールを重視しているようにも見えますので(BB%が優秀になってきているので)、杞憂に終わる可能性もありますが。

Chafinに期待したいこと

 とにかく救援陣が弱いD-backsにとって、Chafinのような実績豊富なリリーバーは喉から手が出るほどほしい投手でした。リリーフ陣のリーダー的な存在として、重要な場面でガンガン投げて抑えてほしい。とにかくそれに尽きます。

 今季のD-backsはコンテンドが狙えるかどうかの当落線にいます。トレードデッドライン時のチーム状況次第で後半戦(と来季)も保有するか、それともトレードチップにするかの選択を迫られることでしょう。その際にChafinが好投を見せていればどちらに転んでもチームとしては大きな利益を期待できますし、それはChafin本人にとっても同じです。とにかく、好投を続けてくれることが全方位を幸せにする。いやもう本当になんでもいいからD-backsの救援陣を救ってくれ。本当にそれに尽きます。

 

まとめ

・Chafinのヒゲはすごい
・Chafinのスライダーはすごい
・Chafinの球速低下は心配
・とりあえず何でもいいから俺たちを助けてくれ

以上です。私は土日競馬に負けましたが、今も闘争心を持って次の戦いに備えています。Chafinとしても前回の移籍は少し残念なかたちでしたが、今回の在籍に向けて闘争心を燃やしていることでしょう。頼もしい新戦力が加わったことで再びD-backsの期待値も上がったと思いますので、ぜひぜひ単勝も馬連もガンガン買っていただいて(訳:応援してください)秋の勝利を期待していきましょう。よろしくお願いします。

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