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【AZ】Evan Longoriaと契約【ARI】

新年あけましておめでとうございます。ふりです。

 よく旧年中の話を新年に持ち越すななどと申しますが、そのタブーを破って昨年度決まった契約の話をさせていただきます。ご容赦願います。
 また、MLB公式のArizona Diamondbacksの略称がARI→AZに代わりましたので暫くは旧略称と現略称を併記するかたちで対応します。

Evan Longoriaとの契約について

 D-backsがジャイアンツからFAとなっていたベテラン内野手のEvan Longoriaと1年契約を結ぶことで合意したと、MLBNetworkのJon Heyman記者が報じました。公式からの発表はありませんが複数のソースがありますので確定と見ていいでしょう。ひっくり返ったらどうしよう。

  詳細な契約内容については地方紙・azcentralのNick Piecoro記者が報じており、1年400万ドル+100万ドルのボーナスとのこと。ボーナスはLongoriaのロースター登録日数に合わせて変化する契約のようです。

https://www.azcentral.com/story/sports/mlb/diamondbacks/2022/12/30/diamondbacks-agree-to-1-year-deal-with-3b-evan-longoria/69767945007/

 また、Longoriaの契約にともない誰か1人が40人枠から外れることになりますが、こちらについてはまだ報じられていません。

(1月9日追記)Edwin Ucetaと発表されました。

Longoriaってどんな選手?

 説明不要という方も多いかもしれませんが、簡単に触れましょう。ロンゴリアは2006年、ドラフト1巡目(全体3位)でタンパベイ・レイズに入団。入団後わずか1年半でAAAまで駆け上がると2008年にはメジャーデビューを果たします。

 トッププロスペクトでもマイナーからMLBに昇格すれば躓くことはよくある話ですがそのまま三塁のレギュラーに定着したのがLongoriaのすごいところ。122試合、508打席で27本塁打を放つなど、打率/出塁率/長打率は.272/.343/.531、fWAR5.6を叩き出す大活躍を見せます。また、守備面でも1045 2/3イニングでUZR16.0、DRS10と素晴らしい守備力を発揮しオールスターに選出されたほか新人王も受賞。一躍レイズの顔となりました。

やっぱLongoriaといえばレイズでしょ!

 その後も活躍を続けたLongoriaは2017年のオフにトレードでジャイアンツに移籍します。この際2022年までの契約と2023年のチームオプションが残った状態でしたが、今オフにジャイアンツがこのオプションを破棄したためLongoriaはFAになっていました。

 オプションを破棄されたと聞くと成績があまり振るわなかったのか?と思ってしまいますがそうではありません。近年は年齢もあって毎試合フル出場というシーズンは少なくなりましたが、36歳を迎えた2022年も89試合、298打席で.244/.315/.451、wRC+(100を平均としたときの打撃貢献)は115、fWARは1.3とまずまずの成績を残しています。

 特に対左投手時の成績はすばらしく、昨季の左右別OPSは対右が.731だったのに対し、対左は.812。キャリア全体で見ても対左投手ではOPS.868(対右.782)と左投手を得意としているLongoriaですが、左投手キラーぶりは未だに健在のようです。

獲得の意図

 D-backsのフロントが今オフ最大の補強ポイントとしてあげていたのは救援投手と右の強打者でした(以前のnoteで詳しく触れています)。先ほどのazcentralの記事によれば、チームはLongoriaのほかにJustin TurnerBrandon DruryXander Bogaertsと接触していたようですが結局契約には至らず、いずれも他球団に先を越されてしました。もっともD-backsは先日のブルージェイズとのトレードでDaulton Varshoと引き換えにLourdes Gurriel Jr.を獲得していますので、フルタイムでの出場を要求されそうな前述の3人との契約は考えにくかったでしょう。

 いずれにせよ、Longoriaはチームのニーズをほぼ完全に満たす選手といっていいでしょう。前述の通り左投手に強いLongoriaは対左投手時のDHに持ってこいですし、三塁守備もOAAベースでは平均以上をキープしていますので、Josh Rojasとのプラトーン起用も可能です。また、平均年齢が若いチームにあってレイズ時代にワールドシリーズ出場の経験もあるLongoriaは、優秀なメンターになってくれることが期待できます。加えてサラリーも最大500万ドルと、昨年fWAR1.3を記録した選手としてはかなり割安です。対左投手、経験、安い契約と、チームが必要としていた部分をすべて満たす、非常によい契約になりそうです。



懸念点

 ……と、ここまで書いといてなんなのですが、Longoriaには若干気がかりな点があります。それはここ数年三振と空振りが増加傾向にあるということ。キャリア全体としてK%(三振/打席)20%前後を維持してきたLongoriaですがここ2年ほどは増加傾向にあり、2022年は27.9%に達していました。

絶対なんか盛り上げて終わる流れだったじゃん。

 昨季は同時に平均打球速度も上がっていましたので気にならないのですが、今季は三振・空振りが増えた一方打球速度は下がってしまっています。特に打球速度は依然キャリア平均を上回っているとは言え前年比3mph(約5km/h)も減少していますので、単なる偶然とは考えにくいところです。

 Longoriaは今年の10月で38歳。野球選手としてはキャリアをいつ終えてもおかしくないところです。一般的に打撃の衰えは動体視力の低下による選球眼の衰えから始まるとされていますので、この空振りの増加がそれとリンクしているとすれば大幅な成績低下につながってしまうおそれもあります。一過性のものであると思いたいところですが…。

最後に

 やや懸念こそあれ、戦力としてはD-backsにほぼ100%フィットなLongoriaですが、LongoriaとしてもD-backsは意中の球団であったようです。先ほど紹介したazcentralの記事から引用します。

Longoria told reporters late last season that Arizona was one of three places he would consider playing next year, in large part because he has a home in the Valley and wants his young family to have a chance to see him play regularly in person.

https://www.azcentral.com/story/sports/mlb/diamondbacks/2022/12/30/diamondbacks-agree-to-1-year-deal-with-3b-evan-longoria/69767945007/

 簡単に訳すと、より自宅に近いチームに移籍して子どもたちに自分のプレーをたくさん見てほしい、といったところでしょうか。年齢的にもキャリアの終盤に差し掛かっているLongoriaですから、家族の近くでプレーしたいと考えるのは当然のことなのかもしれません。

 競馬では昨年末、かつて平地重賞で2勝をあげたベテラン・ニシノデイジーが障害転向3戦目にあたる中山大障害で見事G1初制覇を果たしました。ぜひLongoriaにも新天地となるアリゾナで往年の輝きを取り戻し、レイズ・ジャイアンツ時代には果たせなかったワールドシリーズ優勝を勝ち取ってもらいたいと思います(お前最後の最後で競馬無理やりねじ込むのやめろや)。


最後までご覧いただきありがとうございました。Longoriaという重要なピースを追加したことで、D-backsの『買える要素』が更に増えたかと思います。ぜひD-backsの単勝に加えてLongoriaの応援馬(馬!?)券も買っていただいて、秋の勝者になりましょう(応援してください)。よろしくお願いします。

データ参照

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