2024.5.29


今日は朝から髪を切りにいつもの美容師さんのところへ行った。美容師さんは旅人であるため、基本は福岡にいない。日本の島や海外へ旅に出ているので、福岡に戻ってきたタイミングで美容師をやっている。髪を切る場所は、お知り合いの美容室を間借りしている。ここの美容室は、とても気持ちがよくて絶対寝る。

毎回、ヘアスタイルはなんとなくの希望だけ伝えてあとはお任せにしている。お任せにしても好きな雰囲気にしてくれるので、逆にどんな仕上がりになるか楽しみでお任せにしているところもある。

髪を切り終えたあと、お腹が空いたので駅のパン屋さんとコーヒー屋さんで昼ごはんを買って、外のベンチで食べていた。今日は快晴で暑すぎずとても気持ちのよい天気だ。

私が座っていたベンチの横に、「お隣よろしいかしら?」とおばあちゃんが来たので「どうぞ。」と言って相席スタートした。おばあちゃんも私と同じコーヒーを買っていた。今日の天気が気持ちよいことを二人で喜び、そこからおばあちゃんのエピソードトークが始まった。

「私はもう87歳ですから、すぐに死が目の前にありながら生きているけどね、あなた達のような若い方の未来が明るいといいわねぇ」
自分がいつ死んでもおかしくない年齢になったとき、どんな時間の過ごし方をしているだろうかと少し考えた。

「こう見えても昔は教師をやっていたのよ。高校で数学と古文を教えていたの。」
おばあちゃんは、理系と文系を網羅した元ハイブリッド教師だった。教師を辞めてからは塾の講師もやっていたという。87歳とは思えないほどハキハキ話すのは教師だったからだろうか。

「最近はね、俳句を詠んでいるの。同じ87歳の友達が俳句教室をやっていて、私に弟子になれって言うの。おかしいでしょう。でもね、俳句って簡単そうにみえて難しいのよね!」
年老いても趣味を見つけて楽しく過ごしているおばあちゃんは、とても素敵だと思った。

「私よくこうやって若い方に話しかけておしゃべりするのが好きなんだけどね、家の前のセブンイレブンの店員さんはネパールの方ばかりでねぇ、日本語が本当にお上手で、すごいと思うわ。よくお喋りしに行くけど、お母さんって呼ばれるようになったわ〜」と嬉しそうに笑った。
機会がないとなかなか見知らぬ人と話すことはないけど、こうして話しかけてくれるのは嬉しい。もっとみんな知らない人同士で話をして、そこから生まれるコミュニケーションを楽しめるようになったら、豊かな時間を過ごせるかもしれない。自分をひらくことも大事だと思った。

「今日はお米を買ったから荷物が重たいけど、よたよた歩きながらゆっくり帰るわ。話し相手になってくれてありがとう。楽しかったわ。」そう言っておばあちゃんはよたよたと帰って行った。私もよたよたと帰ることにした。

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