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卒業

「青春」という言葉が嫌いだった。 高校時代に大きな挫折をした。陽の当たらない部屋で朝からずっとベッドに横たわってぼうっと天井を眺めていた。気がついたら日付が変わっていることもあった。 肥えた体で、手首を切る勇気もないから髪の毛を運動部の男の子のように短く切り揃えて、一日中虚空と対話している自分には、「青春」なんてとても抱えきれなくて、遠い世界の言葉だった。 卒業証書はもらえなかった。アルバムは真っ白だった。 東京に行けば何かが変わると思っていた。地元の北海道を深く愛してい