私の誕生日だから私の萌え語りを聞いておすすめの小説教えてほしい

お誕生日おめでとう私〜〜〜!!
誕生日にいちばんほしいものは新人賞の受賞連絡なんやけど、そんなんどうにもならんから私におすすめの小説を教えてほしい。BL小説やと嬉しいけど一般文芸も読みます!

そしてせっかくなのであまり理解されない私の萌えをまとめてみました。この性癖に合致しそうなご本教えてくれたら泣いて喜ぶ。

ではさっそく。


【多言語話者が言語によって思考や思い出が引っ張られたり、言いたいことがあっちの言語なら言えるけどこっちの言語では言えなかったりする描写】

まず私が「あれ、言語描写にめちゃんこ萌えるな?」となったのは「李歐」(高村薫著)がきっかけです。

「先说你迷恋我吧(惚れたって言えよ)」男の美しい北京語は、十中八九、中央のエリート階級育ちであることの証だったし、最初に会ったときに何となく大陸の匂いを感じた通り、これは中国人だと一彰はひとまず認めた。(李歐/高村薫著)

私の統計では李歐を読んだひとの半分がこのセリフで恋に落ちてる。知らんけど。
でもこのときは「マルチリンガルが好きかもな〜」くらいやった。そのあとこちらを読みまして。

手島は初めて顔を上げると、「Leave me alone」と一言、低く言い放った。(略)手島が、拷問者から受けた傷よりもっと深い傷を心に負ったのは、それ以来いっさい日本語を喋らなくなったことから察せられる。(リヴィエラを撃て/高村薫著)

自分の信念を貫くための行動をしていた手島が、いろいろあって拷問を受け、その際に親しくしていた人々からあまり助けてもらえなかった……そのショックで日本語を話さなった、というくだりです。

これで完全に「言語に思考が引っ張られる描写萌え」やということを自覚しました。そんなニッチな萌えどやって検索すんねん。

BL小説で狂うほど萌えたのはこちら。

「有冇攪錯呀(ふざけんな)」(略)まくし立てると一気に舌が軽くなるのが分かった。懐かしい言葉。やっと上手く息ができる、そんな感じ。(is in you/一穂ミチ著)

このご本、私の多言語話者(略)萌えがたくさんたくさん詰まってるんですよ! 少年期を香港で過ごした受けが日本に帰ってきて、攻めと出会い上手くいかず、香港でまだ再会するという流れなんですけど。受けは広東語と英語と日本語を話すし、攻めも受けに教わりつつ広東語を話すようになります。

で。ペーパー・バックに収録された番外編では、だいぶ広東語を覚えた攻めが、受けに「我可唔可以聊你?(ちょっと遊ばない?)」と声をかけたり。「日本語で切り出すの緊張して」らしいです。言語に思考が引っ張られるキャラや〜〜〜最高やんけ。


【アイデンティティの確立に重要とされる時期に国を渡り歩いた、両親と子供の出身国が異なる、居住国の言語と両親の言語が違うなどの理由で、自分の国籍や言語、外見等が一致していない描写】

これはセリフの引用などをしにくいので例だけ挙げさせてもらいます。
鉱物シリーズ(五條瑛著)の葉山隆。彼は抜けるように肌が白く、瞳と髪は薄茶色で、白人そのものの見た目です(白人という言葉の可否については置いておき、原作に従います)。その一方で、中身は誰よりも日本人。日本に住み、日本風の考え方をしながらも、アメリカのために働き、外見は白人──といろいろちぐはぐなんです。そこが好き!!!!

「見た目は欧米人、だけど日本風な考え方をする」まではたまーにあるんですが、それゆえの苦悩で文庫本半分くらい独白する描写までほしい……わがままなので。

ちなみにこれは上記の多言語話者(略)萌えと密接なかかわりがあります。幼いころからあれやこれやと言語が話せると思考がどっちつかずになりやすいやん? だから多言語話者が出てくるとずるずるこの萌えを引き出せるのではと思っているのですが、上手いこと探せず。というかこの萌え、検索しにくい。ちるちるに「アイデンティティ(略)萌え」の検索ボックスができほしい。


【アイデンティティの確立に相手を用いる描写】

これは説明がかんたん。

おまえだけが、僕の存在を定義する。おまえがいなければ、僕はたぶん……壊れてしまう(夜ごと蜜は滴りて/和泉桂著)
この想いから生まれるもの全てが、私の存在の証だからです(炎の蜃気楼怨讐の門赤空編/桑原水菜著)

アイデンティティの確立に相手を用いる描写、という見出しで合っているかはよくわからんけど。まあつまりこういうことなんですよ。あなたがいるから自分は自分としてここに存在している、あなたの存在こそが自分を自分たらしめる、という描写が大好物でしてね!!
それって究極の愛やん……。


【天才が天才ゆえに生活や恋愛に支障をきたしたり、苦悩したりする描写。もしくは天才の天才たる描写そのもの】

ツイッターで天才の話をよくします。かなり頻繁に天才の話をします。天才が大好き。

たとえば「炎の蜃気楼」(桑原水菜著)の上杉景虎。
たとえば「ふさいで」(一穂ミチ著)の相馬栄。
たとえば「初恋をやりなおすにあたって」(尾上与一著)の灰谷雪。

映画だと「セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣」「奇蹟がくれた数式」あたりが、一般文芸だと「国宝」(吉田修一著)が大好きなんですが、伝わる!? 伝われ!

天才がもっと読みたいよう~~~。天才は天才という存在そのものが好きなので、天才が出ていればなんでもいいです。でもわがままを言うなら、天才が自分の道を歩いていくために恋愛を諦める描写のあるBL小説やともっと嬉しい!!!! なんでもいいとか言いながらピンポイントで申し訳ない。

ちなみに天才にまつわるセリフで好きなのがこちら。

力を持つということは、おまえが言うほど、幸福なことじゃない……(炎の蜃気楼怨讐の門赤空編/桑原水菜著)

て、天才ゆえの悩みや〜〜〜!? 私みたいな凡人には到底口にはできん悩みやで。

なんで好きなんやと聞かれたら性癖やからとしか答えられません。


【相手を「崇拝」するあまり、相手への感情を性欲の伴った愛とは認められない描写。もしくは崇拝する側、崇拝される側の関係性の描写】

これはね、端的にこの描写を表している最高な一文があります。どん!

おまえ、神様とセックスできるのか?(いとしき伴星の名を述べよ/一咲著)

はい最高~~~~~~ありがとう一咲先生とショコラ文庫様と神様~~~~~~。崇拝萌えでおすすめ聞かれたら真っ先に挙げようと思っているご本ですが、崇拝萌えでおすすめを聞かれたことがありません。誰か聞いて。

相手を「神様」として扱ってしまう=自分と同じ人間ではなく、別世界の圧倒的な存在として崇拝してしまう、それゆえに性欲の伴う感情が持てないというのが大好物なのです……。でも性欲持っててもいい。神様みたいなひと、だけど自分の欲望でぐちゃぐちゃにしてやりたい、みたいなのも大しゅっき。「崇拝」「神様」あたりの単語が入っていたら大体ぎゅんぎゅんきます。

そして例によって、こちらの性癖も炎の蜃気楼に影響されています。炎の蜃気楼からはこちらを。

崇拝なんてするのは、いもしない神様だけで十分だ、
存在しないから誰も傷つかない(炎の蜃気楼黄泉への風穴後編/桑原水菜著)

すっ好きだ〜〜〜涙が出るほど興奮する大好きやー……。
そもそも炎の蜃気楼は私の性癖の核をなす作品なので基本的にどこを切り取っても興奮するんですが。

以上、ちるちるで検索できない5つの性癖でした。
これらを踏まえておすすめの小説があったら私のツイッターマシュマロかこちらのコメントでもどこでも!

これらを踏まえていなくてもおすすめの小説あったら教えてください〜。よろしくお願いします🤗

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